何を書いていたのやら
謀反人捕まる!!
京に連絡が入ったのは数日後のことだった。更に謀反人はミナムに投降し、京へ忠誠を誓ったとミナムからの報告も入って来ていたのだった。これを不服に思ったのは、京にいた貴族たちだったのは言うまでもない。
「またしても、ミナムに手柄を取られた」
「そうじゃ・・・これでは、また、ミカドは、ミナムを信頼するではないか」
そうミナムを敵対視していた前のミカドと違い、ギオンを倒したミナムに完全に信頼を置いていたのは、他ならぬミカドとミナムを支援していた貴族フトーであった。フトーは現役を引退するといっているものの、実質的な権力者となっていて、前の戦いで武功を上げた貴族たちが、現政権の中枢にいるのは確かであり、閑職に追いやられた前のミカドに仕えていた貴族たち不満は増していくのは当然のことである。こうした時代の流れの中、千年の都である京において、確実に格差というのが生まれて行ったのであった。
そんな最中にたとえ偽物でも、ミナムが謀反を起こしたとなれば、彼自身が失脚するのではないかとへんな噂が一気に広がるといったことが起きたのだが、当の本人が偽物を捕えた上に、ミカドへ忠誠をしたと聞いたことは、反ミナム派にとって、最悪の事態であったに違いない。一方、そのことを逆にとらえて、ミナムの自作自演であって、これは、ミカドに対する裏切り行為だと言い出した貴族もいたのだが、ミナムを信頼している今のミカドには聞き入れてもらえるはずもなく、反ミナム派の貴族たちを悩ませるのだった。そんな中、ミナム暗殺をもくろむ輩も現れたのだった。
「スレンダー頼んだぞ」
「御意」
身長は3mはあろうか、しかも、すらりと細身のこの男、名をスレンダーと呼ばれていた。彼を雇い入れたのは、あの死んだはずのマヤザキだった。彼は、前の大戦で生きていたのだった。そして、今は、ある反ミナム派の貴族に雇われているのであった。そう彼と彼の残党がまだ残っていたのだった。そして、スレンダーと呼ばれる男、奴は、先の大戦では、全く知られていないのだ。何故なら、彼はジュピトリスへ行っていたため、戦火を逃れたのだった。スレンダー自身は、ワカタケルに助けられ、そして、マヤザキにも助けられた身だった。彼自身には、昔の記憶はない。気が付くと現在の格好をしていて、危ないと思うと、後ろから細長い影が目の前の敵を殺戮しているのであった。そんな彼を人々は化け物として退治しようとしたのだが、助けた人物こそワカタケルであった。しかし、恩人であるワカタケルはすでにいない、スレンダーの中には、ミナムという敵討ちをいつ倒せるかということだけが、彼を支えている原動力であったに違いない。
そんなことは、全く知るはずもないミナムは、ハリマから一路京へ向かうのであった。時々、新しく仲間に入った。エックスソードの暴走を止めながらなのだが、逢坂の関まで戻った時のことだった。
「開門せよ」
ソウシの一言に、逢坂の関からは、全く持って返事がない。
「それがし、黒騎士団 団長ソウシである。この門を開門されたし!!」
ソウシの声は、虚しく響いたのだった。
「おかしいわね」
「誰もいないんじゃないの?」
ラムの独り言を聞いたエックスソードは
「しーーーっ!!」
そう言って、ラムの口を手でふさいだ瞬間、
「逃げろ!!」
その声へ逢坂の関から全員は離れて行った。その瞬間、門からは、槍のようなものが次々と繰り出されて、逃げまどうミナム達を追いかけてきたのだった。
「なんだ?」
振り返って剣を構えようとするソウシをせいして、逃げる様に押しやったのはエックスソード
「早く!!逃げるが勝ちだ!!」
こうして、数百メートルはなれたところで、攻撃はおさまったのだった。
「なんなんだ」
ミナムの一言にエックスソードは
「あれは、スレンダーだ。細長いやつで背中ら無数の針のようなもので攻撃をしてくる厄介な奴だ」
「どうしてそれを」
「はて?」
相変わらずな反応をするエックスに対し、ヤンが二人の前に出た。
「ファイヤートルネード!!」
ぶあ!!っと発射されたファイヤートルネードの直撃を受け業火に包まれるスレンダーだった。