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リーマンクエスト  作者: Seabolt
ミナム貴族になる
198/201

播ハリーマ

 西国に英雄ミナム現る!!


 西国の事件は変な意味で武士達を刺激したに違いなかった。それは、ここ数年で勢力を一気に拡大してきたのはいいのだが、のちにポメラ戦役と呼ばれるギオンの乱を制圧した時の最大の功労者である英雄であるミナムが、未だに貴族になっていないこと、更に、自分たちのように褒章をよこせとか言ってこないことが、かえって武士たちにとっては、邪魔でしかない存在だった。

 そんな時に西国でのあの事件が起きた、ペー一族は、ミナムが悪事を働いたと噂を立て、仲間内を集め、犯人を捕まえる検非違使として、西国に向かわせたのだった。男一人魔導士二人というミナムが現れた時と似通ったメンバーが彼らにとっては好都合であった。そして、その犯人が誰であったにせよ、ミナムとして首を取ろうということだけを考えていたのだった。

 だが、彼らの目論見はものも見事に失敗する。多くの犠牲と町を一つ破壊までして、


 こうして、ペー一族の策略は、失敗に終わった。こうして、フトーがミカドに進言する形、ミカド直属の黒騎士団、隊長ソウシと海軍大将であるベッツィーへ、その任は引き継がれることになった。その過程として、ミナムは貴族となったことが、ペー一族にとっては、ある意味で脅威の存在となっていた。

 ペー一族としては、これ以上の失敗は許されない、北国の青蛇として、一度は、京に出てきた。ゲー一族、そのあまりの蛮行に、勅令がでて、ペー一族がこれを叩きのめした。にもかかわらず、カムバックしてきたゲー一族を使って、ペー一族討伐の勅令を出そうとしている貴族がいるという、片方で、ゲー一族を叛乱者として、討伐の勅命をもらおうとペー一族も奔走しているのは事実だった。特に先のミカドに仕えて、右大臣にまでなった大貴族フトーの存在、現在は隠居したことになっているが、朝廷内でいまだに権力を保持しているのはわかっている。今度はペー一族が力を持ち過ぎたのを脅威に思った貴族がゲー一族を引っ張っているのには間違いないのだが、裏でフトー糸を引いているそう考えていたペー一族は、フトーがしっぽを出さないことが気に入らなかった。

 実際には、フトーは二つの勢力が衰退するのを見物しているに過ぎなかったのだった。




*****




 「ええ?ミナムの偽物!!」


 カーネルの叫び声が船内に響きわたった。思わず耳を塞いだが間に合わなかったミナム、ミナムの真横でカーネルが叫んだもんだから、耳がキーンとなっている。そんな二人の前で、船酔いでふらふらとしているソウシと腕を組んで頷いているベッツィーの姿がそこにあった。どうすんのよと慌てふためくカーネル、その横で、とりあえず、播ハリーマへいってからだというミナム、そして、その言葉にうなずいている2人がそこにいた。


 こうして、播ハリーマについたミナム達一行は、まずは、越後のちりめん問屋のフリをすることもなく、貧乏旗本の三男坊の格好をするわけでもなく、はたまた、〇さんのような江戸っ子のふりをするわけでもなく、(しつこい)。堂々と、町に上陸をした。すると既に3人は、播ハリーマに入っていることがわかった。そして、ミナム達の結論は、魔法陣で魔導士を確保したうえで、エックスソードを倒す。という作戦だった。


 「これって?作戦か?」


 ミナムの言葉に

 

 「完璧でしょう」


 ベッツィーの一言


 「誰が?エックスソードをやるの?」


 「ミナム殿です」


 ソウシの一言


 「あ・・そう」


 こうして、完璧な作戦(どごかじゃ~!!!)が立てられ、3人がいるという場所へミナム達一行は移動した。

 

******


 張り込みをすること1時間、間抜けな話をしているエックスソード達がやってきた。


 「来たわよ」


 「早すぎない?」


 目の前で女の子に飛びつくエックスソード、その姿を見て、魔法をぶっ放すヤンウェー、その光景を見て笑っているラムそんな間抜けな光景を見て、ミナムは指をさした。


 「あいつらか?本当に」


 「間違いない。手配書通りだ」


 手配書を見たミナムは目が点になった。そこにはお世辞にも似ているとは言えない3人組のつたない絵、それは、ようやく髪型があっているかどうか位といった感じの手配書の絵だった。そこには絵だけでなく、彼らの特徴を示す説明書き書かれていた。


  女好きのエックスソード


  所かまわずえっくソードに魔法をぶっ放すヤンウェー


  それを見てずっこけるラム


思わず考え込んでいるミナムの姿がそこにあった。そんなミナムを見たカーネルがが


「何悩んでいるのよ!!」


「早くしないと!!」


 カーネルは、風圧の魔法をかけ、3人を抑え込み、ソウシは、魔法陣の魔法をかけ、ベッツィーが防御の魔法をかけていた。


 時を同じくして、地面に押さえつけられた3人


 「「「うわ!!」」」


 魔法がかけられないことに気付いたラムは慌てふためく 


 「わわわ!!ま・・魔法がかけられない!!」


 この光景を見て、瞬時に魔法陣だと悟ったヤン


 「魔法陣よ!!エックスなんとかして」


 二人の視線の先には両手を上げたエックスの姿があった。


 「降参します」


 その言葉にずっこけるラムは、ええ!!反撃しないんですか?!と声をあげ驚いていた。 


 「だって、こわーい、おじさんとオバサン達がいるんだもん」



 ぶち・・・



 この後、エックスがカーネル、ソウシ、ベッツィーに半殺しにされたのは、言うまでもない。


 「これ以上はフォローできないわよ」


「そうですよ」


 「りょうかい!!」


 頭から血を流し、ボロボロの姿で敬礼をするエックスの姿を呆れてみているヤン。そして、その横で突っ込みを入れているラム、そんな、3人の姿を見ていたミナムは3人を不思議に思っていた。


 「本当に、こいつらが町を破壊したのか??」


 すると立ち直りが早しエックスが


 「そうです。ヤンがファイヤートルネードで一つの町を、もう一つをラムが、オーロラサンダーアタックで破壊しました」


 エックスの言葉に驚くミナム


 「仲間をそう簡単にうるのか?君は?」


 「ええ、出ないと長生きはできないので」


 「ところでエックスソードとか言ったな、君は何者なんだ?」


 ミナムの言葉に親指を上げ、悠然と話し始めるエックス


 「俺の名は、エックスソード!!旅する剣士さ」


 全く回答になっていなかった。質問が悪かったのだろうかそう思ったミナムはもう一度、エックスに聞き直すことにした。


 「どこの出身?」


 「さぁ?」


 すると話の間にヤンが入ってきた。


 「この人ね。記憶がないんだって、エックスソードって名前も私がつけたの」


 実は、エックスソードは、ある日ヤンの前に現れたまばゆい光の中から現れたとこことだった。


 「だから、てっきり光の国からやってきた人だと思ったんだけど、名前が思いつかなかったし、かっこいいでしょう。エックスソードって」


 話を聞いてカーネルと目を合わせるミナム、その視線に合わせる様に頷くカーネル


 「どっかで聞いた話だよな」


 「うん・・」


 「だよな・・」


 ミナムの言葉にカーネルは目をそらした。



 というわけで、あまりにもあっけなく、捕まった3人、彼らをどうするか決めかねていた。町を壊したのは事実だった。しかし、彼らは、朝廷に反旗を翻したわけでもない。するとミナムはあることを考えていた。


 「君たち、俺の仲間にならないか」



 


 


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