表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
リーマンクエスト  作者: Seabolt
ミナム貴族になる
196/201

漁夫の利なんて簡単なことを言ってくれる

「ミナム殿、少しやつれてるようですが・・・」


昨夜はお盛んでしたかな?とても言いたいのだろうと思っているミナム、フトーとの会談中何度もあくびが出ていて。たぶん目の下にはクマが出来ていたのをフトーが見逃すはずもない。確かに昨晩は大変なことになっていた・実は、ミナムには既に3人の子供がいる。久々にグレースに戻ったミナムは、用事を終える子供たちの相手をしていた。するとその子たちをあやして寝かせた後にその悲劇は訪れた。


 「「ミナム殿、私達が今晩の夜伽を務めさせていただきます」」


 その声にぞわぞわとするミナム、その声の主は、ソウシとベッツィーだった。と言っても彼女らは、現役軍人、先の戦役の殊勲者でもあって、ソウシは陸軍大将・ベッツィーは海軍大将になっていた。二人の存在は、グレース内でも有名な存在だった。文武両道にして未婚の母、とは言え、相手は国の英雄ミナム、通常の世界ではありえないのだが、女性たちの憧れの的だった。実際にこの世界では、一夫多妻が通常であるがため、ミナムは非難されることもないのだが、彼女たちが、それぞれ昇進し、未婚のままでも子供を育てることが出来たことが、そのことに起因したのだった。

 ここから先は、閑話に任せて、ミナムの日記にはこう書かれていた。3人は無理だとつまりそこにはカーネルもいたことになる。

 そんな話はさておき、フトーとの会談だった。


 「つまり、アスケヶ原の戦いは手を出すなと申されるのですか?」


ミナムの質問に、フトーは、その自慢の髭を摩りつつ


 「そうではない。ペー一族が逃げ出した後、京への進軍を止めて欲しいのじゃ」


 「ということは、ゲー一族の京への進軍をとめろとおっしゃるのですか?」


 「そうじゃない」


フトーの言っている意味が解らないのは、当然だった。フトーはペー一族の敗戦は目に見えているのだが、ゲー一族がその勢いのまま京に来るのは困るらしい。


 「そんな難しいことをいわれても、無理ですよ」


 ミナムが正直なところを言うと、フトーも困り果てていた。


 「しかしのう・・・」


 ペー一族が敗走し、それに続かけてにゲー一族が京へ来ない。しかも、それをペー一族が知らないようにという無理難題を言われているのだった。これほどの無理難題があるのだろうか、敵の心中を察しても、敗走する敵を追撃するのは軍隊としての本性であって、これを止めるとなるとかなりのダメージを要する。しかも、ダメージを受けて進軍を止めたとなれば、そのことに気付いた敗走する軍隊は、その隙に反撃をしようとするのは明白だった。

 つまりだ、ペー一族は完敗した状態での敗走するというのが大前提に違いないのだが、敗走するということ自体、フトーの推論であって、確実な情報ではないにもかかわらず、敗走させ、ゲー一族の進軍を止めろというのだから、そんな無理難題を言われたミナムにとっては、どうすることも出来ない。それが本音だった。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ