攻防5
残酷なことだがミナムにとって、クォンの死を悲しむ時間はなかった。なぜなら、顔をあげたその場所にはあ
の魔導師が不敵な笑みを浮かべ立っていたのだった。
―――コイツを倒さねば・・・
そう思った瞬間、ミナムに衝波が襲ってきた。
慌てて盾を構えるミナム
しかし、衝波は、その盾を障子紙に針を刺したかのようにいともたやすく貫通してきた。
―――あぶねぇ~
何とか、避けれたミナムは、盾を捨て、剣をかまえた。そんな姿を見てフッと笑みを浮かべる魔導師・・・し
かし、ミナムは彼女を見て、身動きが取れなかった。なぜなら、死んだはずのカーネルに似ていたからだった
・・・そんな時だった。ミナムの耳に
右に飛んで・・・
え?右?
言われたとおりに右に飛ぶと彼女からの攻撃を避けることが出来た。
かがんで・・・
言われた通りに動くミナム
そう・・そこ・・
するとミナムは魔導師の後ろに付くことができた。
「カーネル・・俺だ!!ミナムだ!!」
振り向いた魔導師はおどろいて、衝波を打った・・・・
両手を出して!!
両手を出すとその手に衝波の直撃を受けたミナムは後ろに吹き飛ばされた・・・
くっ!!
ガン
衝撃と共に背中に痛みが走った。
「何も出来ないのか?」
触ることすら出来ない・・・どうすれば・・・俺に魔法の力はない・・そんな時だった。
「ミナム殿!!」
そう叫んで現れたのはソウシとベッツィーだった。