191/201

攻防４

抜刀し、突撃するミナムとワカタケル

ギン！！

両者の刀がぶつかり合った瞬間、ボコリと音を立て地面は凹み、あたりに衝撃波をもたらした。まさに力と力のぶつかりあいだった。この攻防は数度繰り返され、お互いの決着はなかなか付かない。そんな時だった。

「危ない！！」

クォンの叫びに振り返り、次から次へと襲い掛かってくる閃光を避けるミナム、次の瞬間、ミナムの背後についたワカタケルがミナムに剣を振り下ろそうとしていた。

「しまった！！」

ミナムがそう叫んだ瞬間、

バシ！！

剣がワカタケルの手から落ちて行った。よく見るとクォンがワカタケルを抑えていたのだった。

「クォン。サンキュ！！・・・あ！！」

「ぐっ・・・ほ・・・」

クォンの方を振り向くとクォンは背中から刺されていた。そして、振り返ったワカタケルに再び切られた。

「貴様・・・」

「ぐ・・」

「クォン！！」

倒れ込むクォンを尻目にミナムのほうを睨んだワカタケル

「今度は貴様だ！！ミナム！！」

そういった瞬間だった。クォンがワカタケルを後ろから羽交い絞めにした。

「貴様！！離せ！！」

そう言って振り解こうとするがクォンは離れない

「ミナム様、早く！！私ごと刺してください！！」

「クォン！！それでは！！」

「早くしないと！！ぐっ」

後ろから切りつけられるクォン・・・

「ぐぁ！！」

そんな光景を見たミナムは覚悟を決めた。

「うぁぁああああ！！！」

サグ・・・

ミナムはワカタケルの首をはねた・・・その様子を見たクォンは崩れ落ちた

「クォン・・・すまない・・・」

「ミナム様・・・あり・・・が・・・」

そういい残してクォンは息絶えた。