攻防
混乱するグレース軍
そんな混乱の中、徐々にその惨状がミナム達に報告が入った。
たった一人の魔導師に
そんな声が上がる中、ミナムは、ギオン城を指差した。
「今こそ、出陣だ!!」
ミナムの言葉に将軍達は驚き、体制を立て直す方が先だと言う意見が大半を占める中、ミナムは、がんとして、聞き入れなかった。そして、再びギオン城を指差した。
「見ろ今、出陣しないと、本隊が全滅してしまう。そうなれば、今度こそ、勝ち目はなくなる」
こうしてミナム達は、2030高地から出陣を決意した。
2030高地に残る約7千の兵士がミナム達グレース軍の全兵力となった今となっては、攻略作戦と言うよりは特攻と言う言葉の方がふさわしいかもしれなかった。
計画はこうだ。まず2030高地と海上の連合艦隊からからありったけの砲弾をギオン都に打ち込むと同時に2030高地から出陣したミナム達は、ギオン要塞内部へ侵攻、敵の本陣を叩くとただそれだけだった。要するに敵本陣にいる黒い魔導師とワカタケル、そして、ミザキ、トリニティー率いる黒騎士隊を叩くそれが狙いだった。
体制を立て直したミナム達は、2030高地と連合艦隊の一斉射撃を合図に山頂から突撃を始めた。また、全滅したはずの本陣にもまだわずかであるが兵が残っていた。その兵達も、ミナム達の突撃にあわせ、進軍を始めた。
ミナムとクォンを先頭の二人には、ギオン要塞から激しく降り注ぐ放火はほとんど役に立たなかった。また、連合艦隊と2030高地からの砲撃により、砲台がかなり減っていたこともあって。第一の難関である城門まで二人はたどり着くことが出来た、
そして、二人のバカ力で一気に、分厚い鉄製の城門を場内で待機している兵士ごと吹き飛ばしてしまった。そんな様子に立てこもっていたギウオン兵たちは恐れおののき、逃げ惑った。
一方、ソウシとベッツィーは黒騎士隊を引き連れ進軍、二人のレベルアップした魔力になすすべなくギオン兵達は敗走して行った。
突き進むミナム達の前にはだかったのは、トリニティー率いる黒騎士隊1番隊だった。
「ミナム殿ここは我々に任せて」
そう言って対峙したのは、そうし率いる黒騎士隊3番隊だった。
「トリニティー決着をつけに着たぞ!!」
「ソウシ!!」