2030高地での戦い 2
結局、この戦いでギオン軍は、2030高地を撤退せざるえなかった。
そして・・・2030高地を占拠したグレース軍は残るギオン城塞攻略へ進軍して行った。しかし、グレース軍もすでにその大半を先の進軍作戦で失っており、実際に戦闘可能な兵はミナム達の手勢2千と本軍の2千、そして、海上艦隊からの軍約1千に対し、ギオン軍は、まだ、要塞内に1万の兵力を温存していた。そのことを知らないグレース軍本隊は、ミナム達が2030高地を攻略したことに喚起し、何を血迷ったのか、城塞への砲撃をする前に進軍を始めた。
「何やってるんだ?」
「えっ?」
その様子を2030高地で、砲台を設置しているミナム達は見て驚いた。
「どうした?」
「本隊が進軍しています。」
すると本隊からの伝令がまもなくミナム達の前にやって来た。
「将軍からの伝達です。早くミナム殿も出陣せよと」
「バカか?」
「正気か?」
ミナム達の呆れた声に驚く伝令
「えっ?何がですか?」
「正気の沙汰と思えんが・・・」
「何を言っておられるのです・・・今こそ敵を叩く絶好の機会ですぞ!」
「あきれるよ・・まったく崩れていないあの城塞に出陣せよだと・・・単なる自殺行為でわないか?」
「ミナム殿!!それは、聞き捨てなりませぬ!!」
そういうと伝令は、刀を抜いてミナムに切りかかった。それを片手で受けたミナムは、伝令の刀はミナムの手で簡単に受け止められ、しかも、その刀をまるで針金のようにグニャリと曲げてしまった。そのことに驚く伝令・・・
「あ・・・・わ・・・・」
「将軍に伝えよ。早く撤退せよと!!」
「は・・はい・・!!」
ミナムの言葉を聞いた伝令は将軍の元に逃げて行った。
「どうだろう?」
「まず・・・無駄だろうな!!」
「そうだな・・・砲台の設置を急げ、打てる砲台からすぐにギオン要塞めがけ砲撃を開始せよ。」
「急げ!!」
2030高地では、設置した砲台からすぐに砲撃を開始した。