2030高地での戦い
先を進むミナム達の前は、まさに地獄絵図だった。それは2030要塞からは砲弾が嵐のように降り注ぎ、行く手を塞いでいたからだった。しかも、ギオン軍側もミナムが2030要塞に進軍してきたとの情報に慌てて、ワカタケル・トリニティー、そして、マヤザキを含め彼ら貴下の黒騎士団1番隊を2030要塞に向かわせていた。
一方、そんな砲火の中、進軍していたミナム達
「これでは、全く進めない!!」
「そうだな・・・」
「どうする?」
進軍に手をこまねいていたソウシが腕をくんでミナムに話しかけると、彼女の前に小さなものをみせた、それは、砲弾だった・・・
「まず、試しに・・・ソウシ殿これをここから届くかやってみてくれないか?」
「これを?無理だと思うんだけど・・・」
「ま・・だめもとで飛ばしてみたら?」
「そうだな・・・」
そういうと、ソウシは転送の魔法をかけた・・・すると、その砲弾は、見事に2030洋裁付近まで届いたのだった・・・
「やったな!!」
飛びついて抱き合う二人を見てベッツィーは
「ゴホン!!、これをしないといけないのでは?」
「あ・・そうだ・・」
ミナムは爆竹に火をつけた。その瞬間に、ソウシが転送の魔法をかけた・・・
ちゅどん!!!
それは一瞬の出来事であった。2030要塞をまばゆいばかりの閃光が襲ったかと思うと、地響きと轟音と共に爆風が辺りを覆いつくした。2030要塞を中心に黒いきのこ上の雲が巻き上がり、一瞬でその要塞は影も形もなくなった。
ミナム達のの反対側から2030要塞に向かっていたワカタケルたちは目の前の惨事に驚愕していた。それは、一瞬で2030要塞がなくなっていたからだった・・・
「くそ!!ミナムめ!!」
そう叫んだワカタケルだったが、すぐに全軍に頂上へ全速で向かう指示を出した。
「急げ!!ミナム達に先を越されるな!!」
その声にマヤザキもトリニティも歩を進める速度を上げていった。それは、直感的にこの頂上を制したものが、この戦いの主導権を握ると悟っていたからだった。
こうして2030高地争奪戦が始まった。
両軍は、見方の援護射撃を後方から受けながら、2030高地まで上り詰めると降り注ぐ砲弾の中、死闘を繰り広げた。しかも、両軍とも自軍の援護射撃をとめることも出来ず。その死闘はまさに地獄絵図だった。
そして、ワカタケルとミナム、トリニティーとソウシ、マヤザキとベッツィーがそれぞれ対峙していた。そんな中、ミナム達は、クォンの機動力によってやや優位に戦闘を進めて行った。