2030要塞
オースリー准将が快進撃をしていると情報が入ったのは、ミナム達が契りを結び終えた翌朝だった。
「オースリー准将が・・・ポメラの関を陥落した!!一気に、ギオン都城砦へ向かうぞ・・・」
その戦勝気分にミナム達がいる駐屯地の兵したいが舞い上がっていた。
「増援を出すぞ!!」
そういいながら、ミナム達が作戦本部に戻る前に、援軍は出発してしまった・・・
「どうした?」
久しぶりに作戦本部に顔を出したミナム達を見て、京から派遣された将軍達はあきれた表情を見せていた。
「今頃なんだ・・」
「オースリー准将率いる部隊が、ギオン城砦攻略をしているんだ・・・あとは、我々に任せたて君達はもう少しゆっくりしたまえ・・」
将軍達は口々にそう言うと今こそ名を上げるチャンつとばかりに自ら京から連れてきた兵を引き連れギオン都へ向かって出陣して行った。それが、ギオン都攻略戦線最後の惨劇になるとも知らずに・・・・
しばらくして、ミナム達に入って来た報告はギオン都陥落ではなく、オースリー准将が戦死したということだった。ギオン都を目の前に陣を張ったグレース軍は、目の前のギオン城塞都市の圧倒的な火力と2030要塞からの雨あられの如く降り注ぐ砲弾によって、多大な損害を生じていた。そんな報告を受けたミナム達にもやがて出陣命令が下った。
「いよいよだな・・・」
そう言って立ち上がるミナム・・・
「ご武運を・・・」
そう言って二人の魔導師がミナムにキスをした・・・
「もうやっとられへんは・・・」
呆れ果てるクォン・・・しかし、ミナム達が戦線についてその悲惨さに驚いた。なすすべもなく身動きが取れないグレース軍・・・そこへ城塞と2030要塞から降り注ぐ無数の砲弾・・・それを必死に避け逃げ惑う兵士達、そんな兵士達のことを一切考えていないかのように
「突撃!!」
バカの一つ覚えのように同じ、号令しかあげららない将軍達、この時点でグレース軍約2万の兵はその大半を失いつつあった。
「なんてことだ・・・これじゃ・・・負け戦じゃないか・・・」
「そうだな・・・」
そこへ一人の兵士が駆け寄ってきた・・・彼は、先発した将軍からの使者だった。
「ミナム殿!!将軍から突撃の命令が出ています。」
その言葉にミナムはすぐにその使者の首根っこを掴み自分の顔まで引き寄せた。
「ひっ・・・く・・くるしい・・」
「何言ってるんだ、早く前線を縮小しろ!!」
「えっ?」
「ここまで撤退しろと言っているんだ!!」
「無理です!!」
「何故だ!!」
「将軍の命令です。」
ミナムは、首根っこごとその使者を地面にたたきつけた、
「何が命令だ!!あそこにいる将軍は何をしているのだ!!」
ミナムが指を指した先、その先には砲弾がまったく届かないところで、じっとしている将軍達の姿があった。
「くそ!!」
「ミナム殿」
怒るミナムをソウシは制した。
「無駄だ・・・あんな・・・・あほはほっておけ!!」
「しかし・・・」
「まぁ・・・まずは、戦線の建て直しが先だ・・と言ってもここまで崩れたはどうにもなるまい」
ベッツィーも呆れた表情を浮かべながらミナムを見た・・・
「そうだな・・」
「じゃ・・どうする?」
「ここだ!」
ミナムは、地図の上のある地点を指差した。そこは、2030要塞だった。
「ここを攻略しないと・・・」
「そうだな・・・」
「しかし・・・手勢は2千しかいない・・・」
「ひょっとしたら・・・ミナム殿が飛んで行くのを警戒して、ワカタケルがいる可能性もあるのでは?」
「たしかに・・・」
ミナムはしばらく考えた・・・どうせ・・・あのバカ将軍達はこのまま消耗戦を繰り返すだけだろう・・・と言うことは、あそこには、やはり黒騎士団とワカタケルがいる可能性が高いだろう・・・
「よし、俺と黒騎士団で2030要塞へ向かう。」
「しかし・・」
「最後の一つ・・・これを使う・・・」
ミナムは持っていた最後の一つ爆竹を見せた・・・
「ソウシ殿・・・これを2030要塞の上まで瞬間的に送ることは可能ですか?」
「ああ・・・でも・・・その魔法を使うには、だいぶ近づかないと・・・」
「そうでしたか・・・だったら・・・黒騎士団はまず敵の砲弾が届くすれすれの所まで出陣して、そこで待機、敵が砲弾を浴びせてきたとこでその弾幕に隠れて徐々に近づいて行く。そして、魔法の圏内に付いたらこれを飛ばして爆発させる・・・そこからは俺が突撃して行く」
そういうミナムの肩をソウシとベッツィーは叩いた
「一人じゃ行かせない。」