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リーマンクエスト  作者: Seabolt
悪夢編
182/201

無理矢理・・・

「何故、軍を動かさないんだ!!早く進軍しないとこんなチャンスはもうないぞ!!」


そう言っているのは、最近になって赴任してきたばかりのオースリー准将だった・・・ポメラの関の情報を掴んでいた彼は、ベッツィーとソウシ達がいる作戦会議で、机を何度も叩いて、出撃を訴えた。しかし、ソウシとベッツィーはその進言を頑として拒否をした。そして、准将は、京へ連絡し、ポメラの関攻略の許可を得て、手勢3千を率いて、ポメラの関へ出撃して行った。彼らの出撃を見て、溜息をついているソウシ・・・そんなソウシにベッツィーは話しかけた。


「元気ないな~」


「そうか・・・」


そういうソウシの方をポンとベッツィーは叩いた。そして、こう呟いた。


「実は、ミナムの魔導士になろうと思っている・・・」


そんなベッツィーの言葉を聞いて、この間の自分の行動を思い出した・・・そう・・きっぱりと断られたことを・・・そして、ベッツィーの目を見ると彼女は軽く頷いて、ソウシの言葉を遮った。


「知ってるよ・・」


「えっ?」


「ソウシ殿がミナム殿に恋をしているのを・・・」


「えっ?」


驚いているソウシの目をじっと見ているベッツィー・・・その眼に対して焦点が合わないソウシにベッツィーはもう一度軽く頷いた。


「実は、私もそうなんだ・・・」


「けど・・・」


「それも知っている・・・ミヌ殿が亡くなってから・・・ミナム殿が魔導士になるのを拒んでいるのも・・・しかし、私は、彼の為になら死ぬこともいとわない・・・」


ベッツィーの言葉にソウシも本音が漏れた。


「それは、私も同じだ・・・」


その一言を聞いたベッツィーはソウシの顔を見て、少し恵美をこぼした。


「そうか・・・」


「あ・・」


しまった・・・そう思ったソウシだったが、ベッツィーの次の言葉に驚いた。


「だったら一緒に仮契約をしないか?」


「か・・・仮契約だと?」


「そうだ・・・ミナム殿と仮契約を結ぶのだ・・・」


何と言っているんだ・・・ベッツィーは・・・そんなことできるはずもない・・・もし結んだとしても、後で契りを結ばないと命がないのだぞ・・・だいたい、ミナムのあの強力を抑えて、契約の魔法を掛けれるはずもない。そう思ったソウシはベッツィーに反論した。


「し・・しかし・・・あのミナム殿がうけるか・・」


ソウシの言葉に眉一つ動かすことなくベッツィーは言い放った。


「なら、無理矢理にでも・・・」


「待ってくれ・・・あの強力をどうするんだ・・・仮に出来たとして、ミナム殿が・・・」


そこまで言ったソウシだったが、ベッツィーの目を見て確信した。死を覚悟している・・・そう感じたソウシは、己の心を悔やんだ・・・


「しかし・・・どうやって・・・」


ソウシの言葉を聞いて、ベッツィーは外を指差した。


「クォン入っておいで・・・」


「はいな・・」


するとそこからクォンが入って来て、ベッツィーに頭を下げた。


「く・・・クォンが何故?」


すると頭を上げたクォン


「ミナム様を救ってほしいのです。この間の戦いで、あの謎の女・・・あの魔力には、ミナム様の剣しか効きません。しかし、それも魔導士のミヌ殿ががいてのことです。次の戦いであの女が出てきたら、ミナム殿は殺される・・・俺が身を挺してもどうにも出来ない・・・だから・・・頼む・・・」


そういうクォンを見たソウシは、顔をあげてベッツィーを見て軽く頷いた・・・そうだ・・・


「わかった・・・」


「ところで・・・クォンに頼みがある・・・」


「分かりました。」





自分の両手・両足が重くなっているのに目を覚ましたミナムは、目の前の状況に驚いた。それは、ミナムの上にはクォンがのっかかっていて、動きを封じていたのだった。


「クォン!!何のまねだ!!」


すると両手てのあたりで怪しい光目に入ってて、その明かりの先にはソウシとベッツィーの姿が・・・


「ソウシ殿、ベッツィー殿、な・・・何を・・・」


そう叫んでいるミナムだったが、その光景に見覚えがあった。そう・・・カーネルとミヌがミナムと仮契約をしたときの光景そのものだった・・・やがて・・・仮契約が終って開放されたミナム・・・


「何故・・・こんなことをした・・・俺は、嫌だといったはずだ・・」


「私は、あなたのためなら命を惜しまない。」


ベッツィーが先のその言葉を放った。するとミナムはソウシを見ると、彼女も軽く頷いた。


「私もだ・・」


「わしもだ・・」


彼女らの言葉に驚いているミナム・・・


「何故だ!!」


「カーネル殿・ミヌ殿の敵をとるためにはこうしかなかった・・・」


そう呟いたのはクォンだった・・・


「え?・・・クォン・・・・」


「ミナム様がカーネル様・ミヌ様のあだ討ちをしたいのは一番わしが知っている。だから・・・こうしたんだ・・・」


ミナムはぐっと拳の握り締めしばらく黙っていた・・・そうだ・・・この戦いを終わらさないと、この悲しみは何時までもくりかえされる・・・そうだ・・・この悲しみは、これだけにしないと・・・


こうしてミナムは、二人を魔導士として受け入れた。


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