報告
翌朝、カーネルが目を覚ますとミナムの部屋にいた。
どうやって帰ってきたのと昨日のことを思い出す。
ミナムの背中に乗って・・そこから記憶がない・・・ふと服を見ると昨日のままだった。
ひょっとして、ミナムがつれてきたのか?と考えて起きあがろうとすると体中が痛い、
どうしてこんなに痛いのかしらと思いつつカーネルがふと周りを見ると、ミナムがいなかった。
「ミナム~」といいながら痛い体をおしてミナムを探した。
するとキッチンの方から何か物音がした。
そこへ行くと、ミナムがいた。そして、にこやかに
「おはよう」と言ってきた
「おはよう・・何してるの?」
「朝ごはん・・カーネル机のほうへ行って・・」
そう言って、ミナムは机のほうを指差した。
「うん・・」
カーネルは、机のほうへ行くと
そこには、ご飯と目玉焼き、そして、怪しい物体があった。
何この物体は?豆に何か糸が引いている・・・
そうカーネルが思って、においをかぐと少し変な臭いがした。これは、食べ物なの?
少し不安になるカーネル、そこへ、「お待たせ」とミナムが味噌汁を持ってきた。
カーネルは、思い切って変な物体について聞いてみた。
「ミナム・・これ食べれるの?腐っているみたいだし。」
ふと、その言葉にきょとんとするミナム・・・そして、カーネルが言う物体を見て
「これ?これは納豆と言って、体にいいんだよ。」
「でも、なんだか気味悪いんだけど。」
「大丈夫。カーネルの家で、出たネバネバサラダみたいなものだから。」
「そう?」
疑いつつもカーネルは納豆を口にした。
「あっ・・・」とミナムが言ったが遅かった。
カーネルの口の中には、ネバーとしたものが臭いと共に広がり、そして、納豆の苦味が追従してきた。
「まず・・・」
「カーネル・・こうやって食べるんだよ。」
そう言ってミナムは、納豆に卵をかけ、醤油を入れて、ご飯にかけて見せた。
そして、カーネルに同様のものをした。
「もう・・いいわよ。」
そう言って拒もうとしたカーネルだったが、ミナムに
「だまされたと思って。」
と仕方なく口にすると、さっきとは違い、結構いける・・・
その時だった。ミナムがテレビをつけた。
目の前の黒い板が急に光りだしたかと思えは、いきなり人があわられて
話し出した。これには、カーネルもびっくり仰天した。
「ミナム・・これは?・・」と声が出ないカーネル・・・
「これはテレビと言って、いろんな情報が見れたりするんだ。」
しばしテレビに食い入るカーネル。
「カーネル・・」
「何?」
「ごはん・・・」
「あっ・・」
二人が食事が終る頃に
「よっちゃん!!」と由美がやってきた。
そして「カーネル、おはよう。」
「あっ・・おはようございます。」
カーネルが挨拶していると
「よっちゃん。」小さな女の子がトコトコ歩いてきて、ミナムに抱きついた。
ミナムはよいしょとその女の子を抱き上げ、
「みゆちゃん。おはよう」
「この子は?」
「みゆっていうの。」
「かわいいわね~、みゆちゃん」
カーネルを見たみゆは、驚いて、ミナムのほうへ抱きついた。
そこへ「こんにちは~」と由美のだんなも入ってきた。
「よっちゃん。準備できた。」
「もうちょっと・・・」
「早く。」
そう言ってみんなは、ミナムの車に乗った
「さぁ・・出発・・」
ミナムの車は軽快に飛ばし、目的地へ向かった。
その時、予想外の事が起こった。それは、カーネルが乗り物酔いをしたのだ。
しばらく休憩をとり、再び、車を走らせ、一行は、目的地のミナムの両親が眠る墓地に着いた。
「これが俺の両親だ・・・」
お墓を指差しミナムが言うと
「ミナムって・・・石から生まれたの?」
そう勘違いをするカーネル
「あっ・・そうじゃなくて、ここはお墓・・・」
「お墓って?ひょっとして・・」
「そうちょうど1年前に、事故で亡くなったんだ。お父さんとお母さん、そして、俺達の妹でみゆのお母さんの真美が眠ってるんだ。」
その言葉に震えるカーネル、どういったらいいの?そう戸惑っていると。
ミナム達は、お花を供え、線香を焚き、お墓に水をかけた。
ミナムは、カーネルに柄杓をわたし、
「同じようにやって見て。」
言うとおりにするカーネル。水を掛け終わると。
一同がお墓の前で手を合わせ、それぞれの思いを告げた。
そして、おもむろにミナムが話し始めた
「とうさん・・かあさん・・真美・・・・俺・・・この人と結婚するんだ。生きているうちにできなくて、ごめん。」
そこへ、由美がペアリングをあけた。そして、ミナムはリングを手に取り、
カーネルの手にはめた。カーネルもミナムにリングをはめた。
「俺達がんばるから、見守っててくれよ。」
ミナムが言う。すると
「みゆが・・よっちゃんのお嫁さんになるの。」
みゆがそう言ってミナムの足につかまった。
それを見て、ミナムは、かがんでみゆの顔を見て
「大きくなったらね。」
そう言ってみゆの頭をなぜた。
「やった・・・!!」