反抗
とりあえず、陣地まで戻った。ミナム達、その表情は、暗かった。手勢が2千しかいない。しかも、本隊は壊滅状態だった。辺りを見回すとけが人も多数出ていた。実際に戦えるのは、ミナムの兵2千と本隊が約2千くらい・・・しかも、弾薬もほとんどない・・・しかも、こうしている間にも、ギオン軍は陣を立て直しつつあった。
そんな報告がミナム達の耳に入って来た。
「ミナム殿・・・どうする?」
そう聞いてきたのは、ベッツィーだった。
「どうするって・・・」
ミナムが悩んでいると
「撤退はまず無理だ。」
ソウシが口を挟んできた。
「そうだな・・・今撤退となると、負傷兵が足手まといだし・・・しかも、敵は大反抗に出る可能性もある。」
「う~む・・・ところで・・ギオンにはあのオスギ見たいなのはもういないんだよな・・」
ミナムの不思議な一言に驚いた。そして、戸惑いながらもソウシがこう答えた。
「ええ・・・まぁ・・しいて言えば」
「言えば?」
「ワカタケルがどうもオスギと同じ能力を持っているとか・・・」
「ワカタケル・・か・・奴だけなんだな?」
「多分・・」
「多分・・か・・と言うことは、力で勝負するのはワカタケルだけとすると、こちらは俺とクオンがいる。そして、トリニティと黒騎士団に対しては、ソウシ殿と3番隊がいる。しかも、まだ、ベッツィー殿とミヌもいる・・・全体の戦力ではこちらが負けているが、核となる戦力ではこちらが上手と考えてもかまわないよな・・・」
「そうだな・・」
ミナムは、机上の敵陣の配置を指差した。
「今回は、各個撃破だ!!それぞれが攻撃対象を絞り、適宜、その対象と相対する。敵は鶴翼の陣を布いている。しかし、これは、正面からの攻撃に対しては強いが、片方だけを一気に崩せば、総崩れになる。」
「しかし、そんなのは、理論上であって、あの砲火の中をどうくぐって行くのだ?しかも、今度は飛んではいけないぞ。」
「クオンがいる」
「クオン?」
「今回の戦いは、スピードが命だ。クオンと共に、今回、被害が少ない左翼を一気に攻める」
「なぜ?右翼からの応援回り込まれたら・・・」
「右翼はまだ、完全に立ち直っていない・・・だから、応援が来てもしれている」
「そうか・・」
「では、一時間後に出陣する。その間に、負傷兵は、ユウ峠まで、退却させろ・・・これは、頼む」
「判った・・・」
こうして、ミナム達の反抗作戦は、始まった。