救出作戦
轟音が轟く中、ミナム達は敵の砲火の届かない位置で進軍を止めた。目の前で逃げ惑う兵士達の姿にミナムは苛立っていた。そんな中、アスケが原の地図を出し説明を始めた。
「敵の陣形は鶴翼の陣です・・」
「もうよい。」
こまごまと説明をしようとする兵士をミナムは止めた
「あの・・」
「俺が飛ぶ!!」
ミナムの一言に慌てて引きとめようとするソウシ
「飛ぶって?また?」
ベッツィーもソウシの意見に続いた。
「敵に既にばれているぞ!!」
するとミナムは、二人の方を見てこう言った。
「退却の合図をする時は一緒に狼煙をあげるんだよな」
「まぁ・・・そうだけど・・」
「では、合図と共に狼煙を上げてくれ・・・その狼煙にまぎれて飛ぶから」
ミナムは、盾と剣を準備していた。その様子を見ていたソウシ・・
「しかし、それでは・・何も変わらないのでは・・」
ミナムは敵の布陣を示した図面のある一転を示した。そこは、翼の付け根だった。
「ここの陣をまず叩く・・そして、順に左右へ飛びながら俺も後退する。」
「じゃぁ・・後は手はずどおりに・・」
ミナムが一人、準備を始めた。そして、左手に手に盾を持った瞬間だった。ソウシが近づき、皆から盾で隠れるようにミナムにキスをした。
「ご武運を」
「じゃぁ・・・後を頼む!!」
「ああ・・・撤退!!撤退の合図を鳴らせ・・・狼煙を上げろ!!」
その頃、ギオン軍では、砲撃を続けていた・・・
「撃って撃って撃ちまくれ!!グレース軍を全滅せよ!!」
そんな中・・・異変に気付いた・・
「どうした?」
「あれを?」
「ほう・・・徹底の合図か・・・」
グレース軍の後方からの狼煙を確認した。兵士達
「グレース軍が撤退を始めました・・」
「そうか・・・」
次の瞬間だった。
砲台の中心がボコリと凹み、大砲と鉄砲を持つ兵士達がその中に落ちて行った。そして、竜巻が起こった。
「何事だ!!!」
そう叫んで行くうちにギオン軍の砲台が次々と同様の状態に陥った。
「くそ!!ミナムめ!!」
そう叫んだワカタケルだったが、次の瞬間には、彼は体制を立て直し始めた。
「使えるを武器を持って、本陣まで退却!!」
そして、砲火は止んだ。この戦いで多くの兵が犠牲となりその中にワウェンティ大将も含まれていた。
「わが軍の兵力は、半分まで下がった。大敗北だ。」
そういうソウシに。ベッツィーが
「どうにもなるまい。今京からの援軍は期待できぬぞ。」
「そうだな。」
「どうする?」
アスケが原ではギオンとの膠着状態が続いた。しかし、敵の陣を崩したとはいえ、完全に崩壊したわけではなかった。しかも、敵陣の方が高い位置にあるためギオン軍の方がはるかに優位にたっていた。