ミナム出陣す
「撃ち方用意!!」
「撃ち方用意!!」
号令を聞いた兵士たちが、慌しく陣内を駆け巡った。
「撃ち方準備よーし!!」
「撃ち方準備よーし!!」
一人の兵隊がミナムに駆け寄る。
「準備できました。」
「よし、こちらもいつでも出陣可能と伝えよ!!」
「はっ」
兵士たちが去って行った後、ミナムの周りには、ミヌ、ソウシ、ベッツィー、アクバがいた。
「よし!!いくぞ!!」
「おう!!」
そして、これから世にいうグレースの大反抗が始まる。
「撃て!!」
号令と共に大筒が火を噴いた。その砲火は、絶えることなく約一時間続いた。砲撃の音を聞いて慌てたのは、前衛で攻撃準備をしていた工兵たちだった。
「奴らがまた出てきたか!!」
大筒を準備しないとどうにも出来ないというのに設置の邪魔をまたしにきたのか。そう思ったトリニティー
「すぐに行く」
あたりは、砲撃の煙で視界がほとんどない状態だった。
「なんだあれは!!ほとんど見えないではないか。」」
「トリニティー様いかがなさいます。」
「とにかく、待て・・ん?なんだ」
「出陣!!」
ミナムの叫び声にミナム達一行は、足止め岩の外側に打って出た。
「ほとんど見えねえ!!」
「砂煙でケホ・・」
「そろそろだ。さあ、攻撃だ。」
各自が敵陣めがけて一斉、攻撃を始めた。
「どうしました?」
「何か光ったような・・ん?伏せろ!!」
トリニティーの叫びと共に一斉に衝波の嵐が振ってきた・・・簡易の城壁は瞬時に吹き飛び・・・
既に、あたりは血の海と化していた。
「くそ・・・対魔シールドをん?来るぞ!!迎え撃て!!!」
既にミナム達は、敵陣になだれ込んで行った。
「退却だ!!」
そう叫んだトリニティーだが、目の前に立っている人物を見て驚いた。
「これは、これは、トリニティー殿・・都を守っているはずの貴方が珍しい所で」
「それは、こちらの台詞、海軍の方がここまでなんのようでしょう。」
ギン!!
「海からでは攻めきれないのでな・・・」
「くっ・・」
トリニティーは辺りを見回した。既に総崩れの状態・・・数回、ベッツィーと剣をかわしたときに隙を見て衝波を乱打し、その場から逃げ出した。
トリニティーが陣を脱出したときだった。後方から再び砲撃の音が聞こえた・・・振り返るとはるか後方の山から砲撃しているのが見えた
「何をしてるんだ?」
ドカーン!!
目の前で炸裂する砲弾を見て驚いたトリニティー
「何故ここまで届く?くそ!!」
「トリニティー様、ここも危険です。」
「ハン城まで退却だ!!」