ミザキ
あれから数ヶ月が経った。マヤザキの目の前には、ギオン総帥ワタカケルがいた。そして、横には例の女性と子供が・・・しかも、マヤザキは彼女に仕えざるえなかった。それは、数日前のこと、ギオンに着いたマヤザキは当然の如く、ギオン軍に捕われそうになった。その時だった。例の女性と子供が圧倒的な戦力でそれを阻止した。彼女は、すぐにギオンのワカタケルのところまで行き、ワカタケルも彼女の能力に屈した。そして、マヤザキは確信した。それと共にギオン軍は反撃を開始した。こうしてギオンの大攻勢が始まった。
戦力的には圧倒的優位にあったはずのグレース軍だったが・・・アスケが原を侵攻し、ギオンまでの遠征に補給路は伸びきっていた。ギオンへの最後の侵攻準備をしていたグレース軍の目の前に立ちはだかったのは、ワカタケルと謎の女性魔導師
目の前のワカタケルを見つけた。坂上大将は吼えた。
「あの者を倒すと褒美が貰えるぞ!!」
そこまでは、グレース軍優勢だったはずが・・・
次の瞬間
グレース軍の誰しもが我が目を疑った。
一瞬で目の前の数千人が消滅したのだった。そして、後方では、マヤザキ率いる黒騎士団が補給線の拠点を急襲していた。目の前で逃げ惑うグレース軍の兵士達・・・その光景を見てかつての同僚を次々と血の海へ送り込んでいる自分とは一体なんなのか?そう疑うマヤザキ・・・しかし、その殺戮の中、自分の運命を呪った。
退却を余儀なくさせられたグレース軍・・・かつて黒騎士団3番隊が守備していたハン城まで戻った頃には、既に3千名くらいしか残っていなかった。そして、グレース軍を率いていた坂上大将も、すでにアスケが原で討ち死にをした・・・このギオンの大攻勢は、海上から支援していたベッツィー率いる連合艦隊にも影響が出ていた。ギオンのはるか沖で釘付けにされた。ギオンへの上陸作戦を行おうとしていた連合艦隊に突如襲ってきたギオン軍しかも戦艦を防ぐ対魔シールドをはるかにしのぐ攻撃をしてきたのだった。
「どういうことだ?」
「退却!!」
こうして、ギオンの大攻勢の後、彼女はミザキと呼ばれ、ギオンの最高位”総統”に就くことなった。
一方、京では、相変わらず不審火が続いた。そして、この戦況の変化は大極殿にも入ってきていた。
「我が軍・・・ギオン手前で敗北!!」
焦るフトー達重鎮・・・・
「坂上はどうした!!」
最初に吼えた陸軍大将だったが次の言葉を聞いて、何も言えなくなった。
「アスケが原で討ち死にされました。」
「何・・」
「ど・・どうなっておるのじゃ・・」
「フトー殿!!我が軍、約千がユウ峠まで退却、ハン城が破られると足止め岩が最後の砦となります。」
「我が軍はどのくらいじゃ・・・」
「ユウ峠の軍を合わせても約6千・・・」
「どの位持つのじゃ・・・」
「わかりませぬ・・」
その時だった。
「ミナム殿発見、」
「どこでじゃ・・・」
「そ・・それが、黒騎士団詰所にて、ソウシ殿とおられました。」
「そうか・・すぐに呼ぶのじゃ・・・」
「は・・」