もう一つの悲劇 2
宮中へ連行される途中の馬車の中、カーネルにマヤザキに聞いた。
「ミナムは本当に・・・謀反を・・・」
「それは・・・」
「では、本当なの・・」
黙って頷くマヤザキ、それを見て愕然とするカーネル
「ミナムは今もハン城から動こうとしていない。しかも、ミヌだけでなく、私の部下であるソウシもかどわかしているとか・・・」
「そ・・そんな・・・」
カーネルは思わずマヤザキの顔をじっと見た。するとマヤザキはカーネルのほうを向いて両肩に手を置き、じっと目を見つめ
「気をしっかりと持ちなさい。これから同じことを聞かされます・・・さらにもっとひどいことも」
「えっ?」
「これから起きる事を覚悟しておいてください。今、あなたは謀反人の妻なのですから。」
こうして宮中へ連れ込まれたカーネル――――ただただ、不安だけだ彼女を襲っていた。
そして、宮中のある部屋に通された。そこは真ん中にベットが一つあった。えっ?その部屋を見て驚いたカーネルなんて部屋なの?と両手を衛兵につかまれた。
「ちょっと!!」
そう叫ぶカーネルを無視して、衛兵はベットに両手両足を縛り、彼女を大の字の格好に縛り付けた。
「く・・・」
カーネルを縛り付けるとやがて衛兵は部屋を出て行った。そこへマヤザキにつれられミカドが入ってきた・・・
「そうか・・・マヤザキ、よくやった。」
大の字で縛り付けられているカーネルを見て目を細め、不敵な笑みを浮かべるミカドに背筋がぞっとしたカーネル
「下がってよいぞ。マヤザキ」
「はっ」
マヤザキは部屋を出て行ってしまった。その様子を見ていたカーネル―――マヤザキ様・・・助けてくれるのでは?一人になったカーネルはふと首を上げミカドを見た。あの不適な顔・・・絶対やばいよ・・・
「ミカド様・・・これは?」
「ミナムが謀反を起こした。貴様は、そのため処刑されるのだ・・・」
そうなら・・・こんな格好までさせないで一思いに殺してくれそう思うカーネルだったがミカドの言葉に血の気が引いた。
「ただ・・・殺すのは、つまらぬから・・・ほう・・・妊娠しておるのか・・・」
カーネルのおなかをさするミカド・・・
「ま・・まさか・・・」
「そうじゃ・・・ただ・・死なすのはもったいないから余が情けをかけてやるのじゃ・・」
ぐ・・・と唇をかみ締めるカーネル・・・下には結界が書いてあるし・・どうにもならない・・そうあきらめそうになった時、ミカドが床に落ちたミナムの写真を見つけた。
「おぬし、このようなものを・・・」
そう言って、手にした写真を行灯に近づけ燃やした・・・
「ほーほほほ・・・これで心置きなく・・・ま・・うらむならミナムを恨めよ」
「どういう意味ですか?うっ・・」
体中を這いずり回る気持ちの悪い感触
「ほう・・手ごわいのう・・ではこれでどうじゃ・・」
「うっ・・私は信じないわ・・・」
「じゃぁ、これを見よ。」
カーネルはミカドが言う方を見た、そこには大きな水晶があった。
「ほれ・・」
ミカドの言葉と共に、カーネルには衝撃的な映像が目に入った。そこには、ミナムがミヌと寝ている映像が流れた。それを見てカーネルは衝撃を受けて言葉も出なかった。カーネルのその顔を見たミカドはニヤリとして、
「では?これでは?」
次の映像が出た・・・
「えっ?」
そこにはミナムが別の女と寝ている映像が―――えっ?ミナムこの人誰?とと思ったらソウシ殿!!と驚いているとまた別の女が・・・・もういいってば・・・心が引き裂かれそうになった時、ミカドは顔をカーネルに近づいて来た・・・
ぐっ・・・目をつぶったカーネル・・・・もう・・・だめとあきらめた瞬間だった
突如、カーネルの持ち物の中から轟音と共に閃光があふれ出しカーネルとミカドはその閃光に包まれ、電撃みたいなショックを受けた。
「ぎゃー!!!」
「どうされました!!」
叫び声にに驚いたマヤザキはミカドの部屋に飛び込んだ。しかし、既に火の海と化したその部屋には、黒く焦げた男の姿と妊婦の姿があった。そしてその近くには裸で赤子をあやしている黒髪女性の姿がそこにあった。その様子に戸惑った。マヤザキだったが逃げようとその女性の手を引いた。すると赤子の目が不気味に光った。
「だぁーー」
そう言って近づいた瞬間、再び轟音と共に巨大な落雷が落ち宮中は業火に包まれた。
「な・・なんだ」
その光に思わず目を覆ったマヤザキ――――気が付くと見知らぬ場所にいた。
「どうなってるんだ?」