晩餐会での出来事
それは、ミナムの知らぬところで起きていた。主犯格であるフトーの息子であるクトゥは、晩餐会の会場の裏山に潜んでいた。しかし、フトーには既にこのことは知らされていた。そう内通者がいたのだ。そしてクトゥをおびき寄せるべく、罠を仕掛けていた。そして、その罠に掛かったクトゥ達は、捕らえられた。そんな中、黒騎士団一番隊隊士クキマロとトキマロ兄弟だけが会場までたどり着いた。そして、クキマロミナムに切りかかった。それと同時に新ミカドにトキマロがある書面を渡そうとした。
「この国賊!!!」
クキマロの叫び声は宴席によってかき消されミナムには全く聞こえなかった。
後ろから切りつけられたミナム―――――丁度、話したくもないのに大臣達の相手をさせられていて、いい加減にしてくれ。そう思っていると目の前の大臣達が慌てた顔をしていた。なんだろうと思ったら、右肩に何かが当たった。なんだろうと思って振り返った。しかし、そこには何もなかった。
一方、クキマロは驚いていた。切りつけた刀がミナムの肩でグニャリと曲がり引掛かった。その瞬間、振り返るミナムに振り回され、クキマロは、あっという間に壁を突き破り会場の外まで吹き飛ばされた。その光景を見たトキマロは言葉を失った。ふと周りを見ると衛兵に囲まれていた。
「しまった。」
トキマロは、その場で捕まった。こうして、旧ミカドの残党は排除された。しかし、この時のミナムの様子を見た、ミカドを始め、高官達は、ミナムを稀有な目で見た。その様子に気付いたミナム
「どうしたんですか?」
「い・・いえ?」
「何かあったんですか?」
この時のミナムのこの様子にミヌもソウシも偶然気付いていなかった。二人を見たミナムだったが、二人は唖然として首を振った。ミナムは特に帰に求める様子もなくと言うかそんな気力はなかった。ただこのつらい晩餐会が早く終るのを待っていた。しかし、このことがミカドや高官達に警戒心をもたれるようになるとは、ミナム達はもちろんフトーすら気付いていなかった。
晩餐会の後、呼び出されたフトーは、弁明に追われた。