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リーマンクエスト  作者: Seabolt
新たな旅立ち
159/201

ミナム 帰闘。

事の発端は数日前にまで遡る―――――ミカドとして即位した息子リクは即位ごまもなくに急死、そしてミカドの実の弟であるカムが即位した。そして、このことで復権を果たしたのは、前の右大臣フトーであった。・・・影の実力者と言われながらも、一旦右大臣をやめ、息子にその座を明け渡したまではよかったが、実はその息子は逆に命を狙われていた。特にミナム事件・ギオンの叛乱がなければ、宮中にも出ることすら許されなかったはずだった。そして、リクを即位させた息子ら一派を追い出し。カムを即位させたのであった。またカムにしても実子を即位させたいが為の実の兄に常に命を狙われていた。カムには先のミカドを悪者にしたいという願望もあり、フトーの協力は心強いものとなった。玉座に着いた新ミカド、カムはこう言った。


「先のミカドは、ミナムを反逆者とした。しかし、余が聞いたところによるとミナムはカイン城の奪還に成功したというではないか。そうじゃな。フトー」


「は・・・ミカドの仰せの通りで」


フトーは、いつもと違いミカドの横に立ちゆっくりと頭を下げた。


「そうか・・・」


ミカドは納得したかの様にうんうんと肯き玉座がからゆっくりと立ち上がった。


「ミナムを帰闘させよ。」


「は・・・」


こうしてミナムの京への帰闘は決まった。



この頃、戦局は、鉄砲を配備することが出来たグレース側に傾きつつあった。もともときちっとした軍であり自力に勝るグレース軍が同等の兵器を持つことで戦局を優位に進めることが出来た。一方、一般庶民の寄せ集めであったギオン軍は、一度崩れだすと止まらなかった。特に、カイン城の陥落後のアスケが原の決戦で配送し始めたギオン軍には厳しいものとなった。また、オスギを失ったギオン軍にグレース軍の勢いをとめるすべがなかった。アスケが原を抜けたグレース軍は、旧ポメラへ向かう街道沿いの要所、ロクロクソウを攻撃、防衛していたコウリクを撃破した。


ワカタケルの元には敗戦の知らせが次々と入ってきていた。


「ロクロクソウにて、コウリク殿が討ち死に死した。」


「そうか・・・」


「グランでネス殿、戦艦ギオンとともに運命を共にしました。」


「そうか・・・」


ソンヒがワカタケルの横に近づいてきた。


「総統・・・」


「ソンヒよ。わかっている。全兵力をこのポメラに終結せよ。総指揮は、ソンヒ。海側はカクサンに任す。」


「総統は?」


「私も出陣する。」


「総統!!」


「待たれよ。」


その声を聞いたワカタケルとソンヒは、声のするほうを振り返り驚いた。そこには一組の男女が立っていた。


「何奴!!どこから入ってきた。」


「我々も助太刀いたす。」




京に着いたミナム達を迎えたのは歓迎ムードで一色の官僚達のお出迎えだった。出陣のときと比べ

歓迎されているのは、ミナム達にもわかったのだが、どう見ても彼らの顔はひきつっているように

伺えた。そして、ミナムはこう切り出した。


「どうなってるんだ?」


「私にも?」


官僚達が道をあけたかと思うと目の前にフトーが現れた。


「ミナム殿、お久しぶりです。」


そう言うとフトーは頭を下げた。


「フトー殿・・・」


「この度は、」


「しかし・・・」


フトーは、ミナムの言葉を聞いて、話をやめ、俯いているミナムを見た。すると


「カーネル殿のこと真に申し訳ない。」


「では・・」


「あとで全てを申し上げます。今日は、宮中で晩餐会が開かれますゆえに・・」


「私はそんな気分では。」


フトーはミナムの両肩に手を置いて、耳元で囁いた。


「そうでしょうな。けど顔だけでも出してください。あとで、私の知りえた全てのことをお話しますゆえに、」




宮中では晩餐会が開かれた。主賓であるミナムにとっては本当にどうでもいいことだった。

早く真相が知りたい・・・それだけが本音だった。だからミナムにとってこの晩餐会でおきた事件など

全く気付いていなかった。特にミナムの今後を左右する事件が起こったことも。



フトーの家に着いたミナム―――――フトー殿が帰って来れない。その知らせが入ったのは、真夜中を過ぎた頃だった。フトーの使用人の言葉にしかたがないと肩を落とすミナム。その横にはミヌがいた。


「ミナムさん・・寝ましょう。」


「ああ・・・」


そう言ってベットに着いた。

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