光を求めて
ハン城では、未だにカーネルの死を受け入れることが出来ないミナム、ただ呆然とベットの上で俯いて座っていた。そこへミヌが入ってきた。そして、テーブルを見るとまだ手付かずのご飯があった。
「まだ食事されてないんですね。」
返事がない。ふと振り返り見るとミナムは寝そべって背中を見せた。すっとミナムの横に座ったミヌ、ミナムをじっと見つめ、肩にそっと触れた。ビクッとなり触れた手を思わず戻した。でも・・・ともう一度とミヌはミナムの肩に手を差し伸べた。
「ミナムさん!!」
ミナムは、がばっと起き上がり振り返った。
「頼むから・・・」
ミナムの言葉をミヌが唇で塞いだ。目を丸くするミナムの首にはミヌの両手が巻きついていた。しばらくして、唇が離したミヌはミナムの前で俯いていた。
「ミナムさんしっかりして下さいよ。」
ミナムはただじっとミヌを見つめていた。
「ミナムさん・・・しっかりしてよ」
ミヌはミナムの襟首を持ち前後に揺らした。ただ力なくゆれるミナム。
「わたしじゃ・・・わたしじゃ・・・だめなの・・」
そう言ってミヌは泣き崩れ、ミナムの膝の上で泣いた。しかし、ミナムはそっとしておいてくれ・・・・そうしか考えることが出来なかった。するとバンと大きな物音を立て扉が開き、大声を上げて部屋に入ってきた者がいた。ソウシだった。
「ミナム殿!! ミナム殿はいるか!! ミナム!!」
そう叫んで部屋に入ってきたソウシの目には、ミナムの膝で泣いているミヌの姿がはいってきた。しかし、ミナムはソウシのほうを見ようともしなかった。聞こえいるはずなのに何故?そう思いながらソウシはミナムに近づいていくとミヌが目をこすりながら立ち上がった。
「お邪魔でしたか?」
「いえ・・」
ソウシはミヌを見ると、首を横に振った。しかし、ミナムから言葉が返ってこない。ミナムに目をやるとぼーっとして魂が抜けた殻のようであった。聞こえていないのか・・・・そう思ってミヌを見ると両手を上に挙げ首を横に振っていた。
「ミナム殿!!」
もう一度ソウシが大声を上げるとようやく顔をあげ、手を振って
「頼むからそっとしておいてくれ。」
そう言って、横になろうとしたとき。ソウシは、ミナムの肩をバンと叩いて。
「とりあえず、京へ帰れますぞ。」
「どういうことですか?」
ソウシの言葉に食い下がるミヌ
「ミナム殿に帰闘命令が下った。とりあえず。ミナム殿、ミヌ殿、そしてこの私の3名は京へ戻ることになった。」
その言葉にようやく反応したミナムは、顔をあげソウシを見た。しかし、そのうつろな目はすぐに下に下がってしまった。
「でも・・・」
「カーネル殿のことは残念だが、とりあえず京に戻って、真相を知らねば。」
「真相って?」
真相?一体どこに真相ってやつがあるのか?カーネルは既に死んだんだろ?ミナムはそう思いながらも、真相と言う言葉が気になって目を上げるとソウシと目が合った。ソウシは、うんと頷き。
「なんにしても、京に戻らないと本当のことはわからない。現にちょっと前まで京では、私達3名が死んでいたことになっていた。」
「えっ?じゃぁ・・」
「そんなに期待されても困る。少なくとも何がどうなったかは、はっきりするだろう。死んだかどうかも。けど、覚悟だけはして下さい。今日の情報の方が正確なのは確かですから。」
「そうですか・・・」
確かにそうだ。カーネルの死はあくまで情報だけだ。例え本当だとしてもこの目で確認しないと・・・そして、死んだいたのなら・・・俺が
ミナムの目に少し光が入った。行こう!!京へ・・・
「ミナムさん!行きましょう。京へ・・・しかし、何故?俺たちが戻ることに?」
ミヌの言葉にミナムは頷いた。そして、二人はソウシのほうを見た。両腕を組んでみていたソウシはしばらくて、頷きやがて語り始めた。