知らせ
一方、自分の部屋に書け駆け込んだソウシは、心臓の鼓動が体中に響き・・・呆然と一人部屋で夜を明かした。脳裏にはあの時の光景がよみがえり、体には感触が生々しく残っていた。そして、あのときのミナムの表情を思い出し、ただ・・ただ、じっとしていた。
そんな時だった。
ドアをノックする音がソウシを我に返らせた。ノックの主はヒョウドウからの使いだった。
「ソウシ様、ヒョウドウ殿がお呼びです。」
「わかった。」
シーツ一枚を身にまとっているだけの自分をみた。ソウシは、しばらくその姿を見ていた。そして、
なかなか出てこないソウシに痺れを切らした使いの者がもう一度ノックをした。
「ソウシ様!!」
「すぐに参る。」
ソウシは、慌てて身支度をしてロビーに向かった。そこではヒョウドウがソウシの方を見て待っていた。
「ソウシ様。昨晩はどうでした?」
その言葉にソウシは、ヒョウドウの顔に目をやるとにやけた表情を浮かべていた。
「貴様何かしたのか?」
「と言うことは・・・」
「やはり、何かありましたか?で、ご感想は?」
ソウシの目が鋭くなった。その目を見てひるんだヒョウドウ、丁度その頃ミナムとミヌはロビーでソウシとヒョウドウを見つけた。思わず隠れる二人・・・二人は見つめ合い
「どうする?」
「早く謝んなさいよ」
「けど、ヒョウドウ殿もいるし。」
「そうね・・どうしよう・・」
二人が柱の陰に隠れ悩んでいるとヒョウドウとソウシの会話が二人の耳に入ってきた。
「何をした。」
ソウシの言葉にヒョウドウはたじろいだ。
「あ・・ああ・・・ちょっと薬を・・・」
「何?一体なんの?」
「媚薬を・・ちょっと」
「貴様!」
「と言うことは、ソウシ様は?」
「俺は、そんなことなどない!!」
こいつこんなくだらんことをしおって、あのミナムの眼差しを真剣に思っていた私は――――ソウシの心にぽつんと穴が開きそこから目の前で両手を合わせ頭を下げているヒョウドウへの怒りのマグマがこみ上げてきた。
「本当にすまん・・・ところで、あのことは言ったのか?」
その言葉が噴火寸前のマグマを一瞬で凍らせた。
「あのこと・・・か・・」
「まだなんですか?」
「ちょっとな、言いそびれた。」
「でも早い方が」
「そんなに簡単に言えるわけないだろう」
「じゃぁ・・・俺が言いましょうか。カーネルさんの死を・・・」
ソウシ達の後ろでガタッと物音がした。振り返った二人は、驚いた。そこにはただじっと俯いているミナム、彼の右手をぐっと握り締め心配そうに顔を見つめているミヌの姿があった。