・・・な事件 3
目を覚ましたミナム・・・テーブルには食事があった。そして、その横にはテーブルにうつ伏せになって寝ているミヌの姿が・・・そういえばミヌが――――お前も疲れているだろうに――――ミナムはミヌの肩にブランケットを掛けた。
「うーん・・」
そう唸ったミヌだったがそのまま寝ていた。テーブルについたミナムはミヌを顔をみていた――――あっ食べないとそう思って目の前の食事を食べ始めた。
一方、ミカドが崩御したとの情報を受けていたソウシ達―――――どういうことだ?ミカドが亡くなったとは?そしてその情報で黒騎士団は騒然となっていた。
「真か?詳しく申せ!!!」
「は・・・正確に申しますと7日ほど前に宮中に雷が落ち、大火事が発生、ミカドはその火事でお命を落とされました。」
「そうか・・ご苦労であった。もう下がってよいぞ。」
それを聞いたソウシはヒョウドウの方を向いて話をしようとした。その時だった伝令が二人の会話に入ってきた。
「それと・・」
「ん?まだいたのか。もういいぞ。」
「それと・・・」
「なんだ、まだあるのか早く言え」
「実は、マヤザキ様とカーネル様もこの火事でお亡くなりになりました。」
「何?どういうことだ!!」
それは、と伝令は話を始めた・・・
遡ること数日前、ミナム謀反の疑いありと御前会議を招集された。それは、ミナム達がカイン城を攻める少し前のことだった。その会議の場でミカドは、集まった重臣達の前でこう言い放った。
「ミナムはハン城から出陣せぬのは、一体どういうことじゃ・・・」
ミカドの言葉に、一同は呆れた。その中にフトーとマヤザキ姿もあった。顔を見合わせる二人、自ら坂上大将に援軍を出すなと命じておきながら、城をまともに守れない戦力で何故進軍が可能か?とここまで言いたいが言葉にするのが難しい。それを言おうものなら、己の首が飛ぶ。現に一人の中将クラスがいきがってミカドに進言したら、即刻、打首にされていた。一体どうしたものか?そう悩んでいる二人にミカドは、さらに、呆れさす言葉を言った。
「3日以内に出陣せねば。謀反だとミナムに伝えよ。」
ミカドの言葉は到底不可能なことだった。大体、最前線まで3日以上かかるのにこの伝令はまずミナム達に届くはずがない。しかも、もし、仮に、ミナム達がカイン城への侵攻していたとしても、その情報は、3日以内に届くはずもなかった。これははっきり言ってミカドのミナム排除の為の策略に過ぎなかった。最近、無理なことばかり言うミカドを制することも出来ず困り果てた重臣たち、ミカドの顔を見るとにやけているのがすぐにわかった。
当のミカドは喜んでいた――――ミナムが謀反人になれば、あのカーネルもわしのもの―――――その時だったある知らせが舞い込んできてた。――――それは、カーネルが出産間近―――――この知らせはミカドをぶちきれさせた。・・・よくもわしをバカにしおって、
「ミナムは、謀反人じゃ!!カーネルを捕らえろ。そして、カモベ村も殲滅せよ!!」
このミカドの馬鹿げた命令がは即座に実行された。カモベ村では虐殺が行われ、女子供関係なく皆殺され、村も焼き払われてしまった。それは、ミナムが出陣してからわずか2日後、ミナム達がカイン城で死闘を繰り広げていた時のことであった。