決戦・・・間近・・
目の前に映る人々の無残な死体・・・俺じゃない・・・そう叫ぶと・・・・バケモノ・・・貴様に・・・俺の息子を返せ!!!人殺し!!!そう人々の叫び声がこだまし、目の前の黒い人影が揺らぎ俺を攻めてる・・ち・・違う・・・俺じゃない・・・・俺じゃないんだ!!!とフト自分と手を見ると人の首が・・うぁぁああああ!!!! 目を開けるといつも様に動かないからだがあった。そして、横にはポムが・・・
「オスギ様・・大丈夫ですか・・だいぶうなされていましたが・・・」
「ああ・・・」
ポムがオスギの汗を拭いていた時
「杉山!!!」
ミナムの声が耳の奥からよみがえってきた。
「す・・・ぎ・・や・・ま・・」
そう唱えた瞬間、自分の目の前にあの地獄絵図がよみがえってきた。
「うぁぁああああ!!!!ああああ!!!あああ!!!」
そう叫んで頭を抱えるオスギ・・・慌ててポムはオスギに魔法を掛け気を失わせた。
「オスギ殿は戦えるか?」
そう言って部屋に入ってきたのは、コウリクだった。
「もう少しで大丈夫かと・・・」
「オスギ殿では、ミナムに勝てぬか?」
「いえ、互角の勝負をしていましたので、」
「そうか・・・この城も本丸のみになった。ここが正念場だ」
「コウリク様・・・私達が殿になります故、なにとぞ撤退を。」
「何を言うわたしも戦うぞ」
「コウリク殿は撤退を進めてください。私殿も支援いたしますゆえ」
トリニティのその会話に入ってきた。
「今ここで、5千もの兵を失うのは、今後の戦いを考えるといささか厳しいかと・・」
「何故じゃ?」
「海路から海軍も迫ってきてるとの情報もあります。今は、ギオンへ戻り軍の建て直しが先決かと。」
「そうか・・・おぬしらは・・・」
「脱出を確認すれば、自力で何とかいたします。」
「わかった。かたじけない。トリニティ殿、ポム殿後は頼みましたぞ」
その頃、京ではミナム謀反の疑いあり・・・そう京でささやかれるようになったのは、ミナムが京を出発してから9ヶ月が過ぎた頃だった。。これを言い出したのは、ミカドであった。
「ミナムはハン城から出陣せぬのは、一体どういうことじゃ・・・」
ミカドの言葉に、呆れるフトーとマヤザキ・・・・自ら坂上大将に援軍を出すなと命じておきながら、
城をまともに守れない戦力で何故進軍が可能か?とここまで言いたいが言葉にするのが難しい。それを言おうものなら、己の首が飛ぶ。現に一人の中将クラスがいきがってミカドに進言したら、即刻、打首にされていた。一体どうしたものか?そう悩んでいる二人にミカドは、さらに呆れさす言葉を言った。
「3日以内に出陣せねば。謀反の疑いだとミナムに伝えよ。」
ミナムが謀反人になれば、あのカーネルもわしのもの・・・そう喜ぶミカドの元にある知らせが舞い込んできた。カーネルが出産間近・・・・この知らせにぶちきれたミカド・・・よくもわしをバカにしおって、
「ミナムは、謀反人じゃ!!カーネルを捕らえろ。そして、カモベ村も殲滅せよ!!」
このミカドの無茶な命令が出たのは、ミナムが出陣してからわずか2日後、ミナム達がカイン城で死闘を繰り広げていた時のことであった。そして、この知らせをミナムが聞いたのは、カイン城の攻防が終った後の事だった。
一方、クスーキ隊と合流したミナム達はカイン城本丸へ進軍にむけ、しばし休憩を取っていた。
「けが人に把握手当てを!!」
そういう掛け声があちこちで聞こえてきた。
そんな中、ミナムはぼうっと座っていた。あいつは・・・確かに杉山だよな?・・・しかし、俺の声に反応しなかったし・・・それとも・・違うのか?もし、杉山だったら――――そう思っているとミヌが横に座ってきた。
「ミナムさん、何考えてるんですか?」
「あ・・いや・・」
ミヌは、ぬっと顔をミナムに寄せて胸に人差し指を突き刺した。
「ひょっとして・・・カーネルさんのこと?」
「いや・・・」
その言葉に、目がマジになったミヌ
「ま・・・まさか・・・ソウシさんのこと?」
「ミヌ!!!ちかう!!そうじゃなくて」
「じゃぁ・・・なんなの?」
「さっき戦ったオスギとか言う奴のことなんだけど」
「ひょっとして?あのオスギと・・・」
ミヌは両手で口を塞ぎ、目を大きく開け、固まっていた。
「ちがう!!!妙な想像をするな!!オスギが昔の友達に似ていたから・・・気になったんだ。」
「やっぱり・・・」
「そっちじゃなくて、普通の友達だ!!!」
「でも・・・そんなこと考えてたらいくつ命があっても足りませんよ。」
そうか・・・やはり・・違うんだと思っていると後ろから・・・
「ミヌ殿の言うとおりだ・・・ミナム殿」
ソウシの声にビクッとする二人、振り返るとそこにはソウシが立っていた。あちゃーと顔を合わすミナムとミヌ
「ソウシ殿・・・おられたのですか・・・」
「ええ・・・」
「い・・・いつから・・」
「何を考えているのですか?あたりから・・・」
そう静かに話すソウシの目はマジで怒っているかのようだった。その冷めた視線はこわするぞ・・・ソウシ殿・・・
「あ・・・・」
「多分、本丸の決戦にもオスギは多分出てくるでしょう・・・ミナム殿、私情は禁物ですぞ・・・」
「はい・・・」