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リーマンクエスト  作者: Seabolt
ギオン討伐
141/201

オスギ   1

俺を俺を殺してくれ・・・


目の前で引き裂かれていく人々・・・や・・やめてくれ・・・もう・・・しかし、奴らは俺に向かって襲ってきた。そして、その手を振りほどいた時、その人は、壁にぶち当りその形を失っていた。・・・う・・・うそだ・・この手は?俺の手?一体何をしているんだ?俺は・・・辺りを見ると血の池がそこには無数の無残な遺体があった。


「うわ~!!!」


バッと起き上がろうとするがいつものように体が自由に動かない。俺はあたりを回すといつもの光景と違っているのに気がついた。ここは?どこだ?辺りを見ると俺の魔導士ポムがいた・・・彼女は、そうだ、俺は、体が不自由なはず、いつもこの台車がないと移動できない。そうだあれは夢だ・・・きっと・・俺は、そう思いたい・・・


「大丈夫ですか?うなされていたようですが・・・」


「あ・・ポムか・・・大丈夫だ・・ありがとう。ところでここは?」


「ワカタケル総帥の命令で、カイン城に向かっております。」


「そうでしたか。ポムは。これから戦闘か。」


「はい・・」


そういうと台車は再び動き出した。そして、オスギは過去のことを思い出していた。ある村の真ん中で目を覚ますと裸は体に何も付けていない状態、要するに全裸た。しかも、俺は過去の記憶を全くなかった。そして、周りにいた屈強そうな衛兵を見て、素っ裸の俺には全く勝ち目はないと思い仕方なくつかまった。総統に助けられるまでは・・しかし、いつも悪夢にうなされる俺、気付くといつも台車の上で、身動きが取れない。そう立って歩くことすら出来ないのだ。そんな俺をいつも助けてくれるのは魔導士のポムだ。俺の全ての世話をしてくれる彼女に俺は身も心もあずけている。しかし、ポムもギオンの兵士として、俺を食わせるために必死に戦ってくれる。この身動きが取れないこの体が憎い。だから、いつかポムを助けたいと思っている。そう思っていると俺の目の前が再び白くなってきた。


俺が目を覚ました時には戦闘が終っていた。辺りを見回すと死体の山が散乱していた。


「終ったのですか。」


「ええ・・」


「ありがとうな・・・いつも」


俺がじっとポムを見つめるとポムはニコリと微笑んだ。



一方、ここ数日、ハン城の偵察隊が戻ってこないことが気になるミナム・ソウシそして、ヒョウドウの3人はハン城で待機していたミナム達に、偵察隊が壊滅との報告が入っていた。その報告にヒョウドウとソウシは青ざめた。黒騎士団の一人、シバーンが死んだ。偵察隊隊長として任務中に彼が死亡した。しかも、その遺体は無残な姿だった。無言で帰ってきた遺体を見て、さらに驚くソウシ、ヒョウドウ、そして、黒騎士団達・・・


「だ・・・だれが・・」


「こんなことって・・」


そうシバーンの体は、無残にも引き裂かれていたのだった。その遺体を見てじっと涙をこらえるソウシ・・・そこへミナム達がやって来た。ミナムを見つけたソウシは、思わずその場から逃げた。


「あ・・ソウシ殿・・どこへ・・」


そういうクオンの肩を押さえ、無言で顔を左右に振るミナム、そんなミナムの、手を引いたミヌとしては行ってほしくなかった。しかし、ミヌが耳元でこうささやいた。


「ミナムさん・・行ってあげてください。」


「ミヌ・・・」


「悔しいけれど・・今、ミナムさんが行かないと・・・」


そう言って涙目を隠すように、ミナムに背中を向けた。


「早く・・」


「わかった。」


ミナムは、ソウシを追いかけた。ソウシは自分の部屋で俯き机に両手を突いて涙していた。シバーン・・すまぬ・・・シバーンは3番隊では、一番若手だった。これから・・・と言うときに、そう思っていると後ろに人の気配を感じた。


「入ってくるな!!」


「ソウシ殿」


ミナムの声に驚くソウシ、来てくれた・・・そう思うと自分の泣き顔を見せたくない。


「ミ・・・ミナム殿・・・来ないでください。」


叫び声をあげるソウシにミナムはそっと近づいた。そして、ポンとソウシの肩を叩いた。ビクッとしたソウシだが振り向き涙目のままミナムを見つめ、俯きながらミナムの体しがみつき泣き崩れた。




それは、数時間前のことだった。


「フッゥーーー!!」


そんな声と共に偵察隊の前に突如、一人の男が現れた。


「何奴!!」


そう言って身構える偵察隊10名、次の瞬間、その男は目の前から消えた。


「何!!」


次の瞬間、シバーンの前にいた5人の体がバラバラになって吹き飛んだ。


「くそ」


その姿を何とか見つけたシバーンは、剣をかまえ、そいつに切りかかった。


「フッゥーーー!!」


なんとその男は、刀を素手で受け止めた。


「何!!」


そう声を上げた時にはみぞおちに衝撃が走り吹き飛ばされるシバーン


「ぐはっ!!」


壁に叩きつけられたが何とか立ち上がったら、目の前にそいつが立っていた。シバーンは渾身の力を込め衝波を放ち、その男に直撃した。


「やったか?」


しかし、衝波が直撃したはずのそいつは、無傷で立っていた。


「くそ・・・これまでか・・」


「フォッゥーーー!!」


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