膠着した前線
ミナム達がユウ街道の陣を抑えて、3ヶ月になる。ハン城包囲網は解かれ、ギオン軍は、カイン城にその軍を集結しつつあった。
その状況を聞いたミナムは、敵軍の数は約1万5千・・・今だったら。勝てるかも?だったら早く終らせたい、そう思っていた。
しかし、ミナム達だけでは、約1万5千の軍勢はあまりにも多く、そして、この間と同じ手は既に使えないこともわかっていた。
そのためにも早く、ミナムがつれてきた軍2千と坂上大将率いる本隊の到着が待たれた。
その頃、坂上大将は、やむにやまれぬ事情があって、軍を動かせないでいたミナムをこれ以上英雄にするなと言うミカドの命令が届いていたからだった。
大将としても今、進軍するのが正しい、しかし、しかしだ、ミカドの命令では、全く動くことが出来ない。どうしたものか
しかし、以外にもミナム達がギオン軍を蹴散らした話は、京ではあまり知られていなかった。どちらかと言うとクスーキの足止め岩の決戦で、
ギオンを負かせた方が話題となっていた。
「マヤザキ殿」
フトーの言葉に足を止めたマヤザキ、振りあけるとそこにはフトーがにやりとして立っていた。
「ミカドは?」
「機嫌が悪い・・・ミナムがあまりにも目立ちすぎておる。」
「どういたしますか?」
「別に・・」
そう言って、にやりと笑うフトー・・・
「ミナムは?」
「ほっておけ!!今は、奴の力が必要な時期じゃ。使えるうちはとことん使わせてもらうさ」
フトーの言葉に納得するマヤザキ・・・・
「同感ですな・・・では・・」
「そう・・・クスーキを今回英雄扱いで、話をながそう・・」
「そうじゃな・・」
一方、カイン城に着いたチョウハは、軍の状態を見て驚いていた。なんということだ。
そこには、本隊の八千の兵以外は、戦力になりそうになかった。そして、あのユウ城が全く跡形もいけている。
そんな様子を見ていたチョウハにコウリクが後ろから話しかけた。
「わかるだろう俺が動かない理由・・・」
「ああ・・・」
呆然とその状態をみて、気力なく返事をするチョウハに、両手を挙げ左右に首を振ってコウリクはこういった。
「お手上げだよ。どうやって攻めればいいかもわからん。」
「お前らしくないな・・・やはりミナムか・・・」
「多分・・・」
「どんなやつだ?」
「それがはっきりしない。とりあえずごく普通の奴らしい、ただとてつもない力持ちだそうだ。それに・・・」
「それになんだ?」
「奴には、銃も大筒も・・・そして、衝波も効かない・・・」
コウリクの言葉を聞いたチョウハは、怪訝な顔をした。そして、こういった。
「まるで・・・・オスギと同じだな・・」
「ああ・・それだけじゃないんだ」
コウリクのため息交じりの言葉に流石のチョウハもしばらく言葉が出なかった。
「まだ・・何かあるのか。」
「ああ・・・ミナムの周りにあと3名一人は、ソウシ・・・一人は多分魔導士のミヌ・・・そして、もう一人、ミナムと
ほぼ同じくらい力がある奴がいる。」
チョウハはしばらく考えた。それって?ミナムが2人いる?
「ま・・・まさか、ミナムが2人もいるはずないよな・・・」
「そんなことはない。」
「ただ、オスギとその魔導士だけだとまずいような。」
「オリニティを呼ぶようにした。それと決戦時は俺も戦闘に立つことにした。」
「コウリクよ。いくらなんでも、せめて4対4にしないと・・・ところでオスギは」
「もうすぐ到着予定だ。」
「そうか、後は、トリニティ殿を待つだけか。」