ハン城にて 2
ミナムは、ソウシの顔を見た。しばらくして頷いたソウシはこう言った
「今がチャンスだ」
「これでも使う?」
そう言ってミナムは、あるものをソウシの目の前に出した。その出てきた小さな蝋燭を見て、ソウシは目が点になっていた。
「!!」
「ソウシ殿、どうされた。」
その声に驚くヒョウドウ、そこへ、ミナムの頭をパチっと叩くミヌ
「まだあったんですか?」
「これが最後だ。」
「そ・・それは使わないでおこう・・」
ソウシの狼狽振りに驚いているヒョウドウ達・・・
「ミナム殿・・それは?」
「爆竹って・・・ん・・・むぐ・・・」
ミナムの口を押さえたミヌが、
「なんでもないです・・・ところでどうします。これから?」
「んんーーーー!!!」
「そうだな・・」
そう言って考え込むソウシ・・・
「んんーーー!!!」
もがいているミナムを見て、ミヌが語りかけた。
「言わないでよ・・・このこと・・・」
「んんーーーーー!!」
頷くミナム・・・・そして、それを見たミヌがようやく手を離した。
「はぁーーー」
ミナムは大きくため息を付き自分をを見る一同に向かって言った。
「俺が飛んで、敵の陣を上空から攻撃する。」
「・・・・」
ミナムを見て、固まる一同・・・言っている意味がわからん?・・・大丈夫か?本当に?・・・こ・・この人が本当にあの英雄ミナム殿か?そう首を傾げたくなるほどだった。
「俺とミヌがまず上空からこの街道側にある敵陣へ飛び降りるから・・・その後、ソウシ殿、クオンが陸から攻撃をかけてくれ。」
「えっーーー私がですか?」
驚くミヌの頭をなでるミナム
「着陸地点の調整を誰がするんだ?」
頭をなでられていることに嬉しくなって俯くミヌ
「わかりました。」
その様子を見て少しムッとしているソウシは、ミナムの頭にポンと刀を当てた。
「で・・俺はどうしたいいのだ?」
「着陸時に少し振動と衝撃があると思うからその隙に一気に攻撃をかけてくれ。」
「わかった。」
ソウシとクオンは、頷いた。その様子を見て、呆れている黒騎士団達・・・ソウシ殿ってあんな感じだったかな?そう思っているうちの一人ヒョウドウがソウシに聞いた。
「ソウシ様・・・本当に大丈夫ですか。」
「まぁ・・見てろ・・・」
「じゃぁ・・・一時間後に。」
あれから1時間が過ぎた。ミナム達の姿は、ハン城の中にはあった。そこには黒騎士団達もいた。そんな中、ミナム達に報告が入ってきた。
「ミナム殿が崩された陣地は、復旧されておりません。それと・・・」
「それと・・なんだ。」
「足止め岩で敗走したギオン軍が街道の陣へ集結、その数、約三千・・」
「と言うことは、陣内の兵とあわせると約四千もいまずぞ。ソウシ殿、これは、いくらなんでも無謀すぎる」
そう言って、ソウシに進言したのは、ヒョウドウだった。そのヒョウドウを見て、肩をポンと叩いたソウシ
「それでは、予定通り、後方の陣への囮を頼む。」
「ソウシ様!!!いくらなんでも。」
「まぁ・・見とけ・・・ミナム殿!!頼んだぞ。」
「それでは予定通りお願いします。俺は10分後には、敵陣へ着陸します。」
「わかった。」
こうして、戦いは始まった。