ハン城にて
ミナムあらわる!!この衝撃の報告は、京にまで轟いた。その報告を聞いたミカドは大極殿でマヤザキとフトーの前でぶちきれていた。
「なんで、生きてるのじゃ!!死んだのではなかったのか?くそっ!!!」
そう言って、近くのものに当り散らすミカド、思わず近くの椅子を蹴って、その場にうずくまっていた
「あう・・・っつ・・」
その光景を見て、笑うに笑えないマヤザキとフトーは次の言葉に呆れた。
「あのカーネルも手にはいらんではないか。」
この程度の男かやつは・・・・マヤザキがそう思っているとミカドが振り返り
「そうじゃ、報告書を書いた山口を処刑せよ。余を混乱させた罪じゃ」
このような捨て台詞を吐いて、ミカドは大極殿を後にした。しかし、実際には、山口は処刑されず戦場にある死体の者の首を差出し、山口と言う人物は死んだことになった。
一方、ハン城に入ったミナム達、城内の様子を見て驚いた。そこには、黒騎士団30名と約300名の兵士しかいなかった。ソウシを見つけたヒョウドウが駆け寄ってきた。
「ソウシ様!!」
「ヒョウドウか・・・大丈夫か・・」
「ええ・・まぁ・・この有様です。」
そう言って、俯くヒョウドウの肩をポンと叩くソウシ
「ヒョウドウ・・・よくやった。」
その言葉に、ソウシをキッと睨むヒョウドウ
「どこがですか?ハン城は囲まれ。ユウ城は消滅して、これからどうしろと・・・」
確かのヒョウドウの言うとおりだった。ハン城の包囲網は、ミナム達が突破した一部を除いて未だに健在、特に、ユウ峠までの街道も既に敵に落ちている。この状態で篭城して、今まで何とか保っていたのもユウ城が健在だったからだった。それがない今。どうやって戦えと言うのだ?そんな会話が黒騎士団からもあがっていた。
「どうする?」
「まず、退路の確保が先決でしょう。」
そうやって、なんのためらいもなく言い放つミナムにヒョウドウは、叫んだ。
「一体どうやって?ここの兵を少しでも動かすとこの城自体が危なくなる。」
「俺達で、やってやるさ。」
そう言って、自分を指差したミナムは、ミヌ、ソウシ、そして、クオンと目を合わせた。
「そ・・・ソウシ様・・・そんな無茶な!!」
「1個師団くらいだったら俺達4人で何とかなる。」
「ソ・・ソウシ様まで・・」
ソウシの一言に、驚く黒騎士団の姿があった。
「し・・しかしですな・・」
止めようとするヒョウドウを見て、ソウシは
「兵糧は後どのくらいだ?」
「あと10日くらいがいいところでしょう。」
その時だった。2人の兵士が駆け込んできた。
「ヒョウドウ様、申し上げます。」
「何事じゃ。」
「ギオン軍、約4千がこちらに向かっておるとのことです。」
「それで?」
「5日後には、包囲網まで・・」
険しい顔になるヒョウドウ・・これまでか?そう思っているともう一人の兵士が叫んだ。
「申し上げます!!」
「もうよい!!」
「ギオン軍とクスーキ隊が足止め岩で交戦!!ギオン軍を撃退しました。」
「何!!詳しくも申せ!」
「はっ・・・ギオン軍4千が足止め岩まで進軍、そこでクスーキ隊と交戦、約千名を失い撤退したとのことです。」