忍び寄る・・・
ミナムが出発して、3ヶ月が過ぎた。そろそろミナムもユウ城に着いた頃だと思う・・・私も体調を崩し、
最近嘔吐がひどいと思ったら妊娠していた。そう・・ミナムの子供を・・・そして、いつもミナムの写真を見て
早くと祈る日々だった。そんなある日、ナラ姫が慌てて私の部屋に入ってきた。
「大変じゃ」
「本宮様・・どうされたのです?」
「早く隠れるのじゃ・・」
どうしたの急に?そう思いながら私は、ナラ姫の指示通りに隠れそっと除いた。その時だった。数名の衛兵が部屋に入ってきた。
「何事ぞ!!ここは本宮の巫女の間と知っての狼藉か!!」
ナラ姫が怒りをあらわにし、手にしている杖を衛兵に向けいた。衛兵が近づくと稲光を光らせ衛兵を威嚇していた。
衛兵も魔法を使おうとするが、使えない様子だった。
「どうした?」
「衝波も撃てないぞ!!」
「バカめ・・・ここは、本宮じゃぞ・・・そうは行かぬは・・・なぜこのような狼藉をした!!」
もう一度、稲光を光らせ今度は、一人の衛兵に電撃を食らわした。
「うぁぁああ!!」
叫び倒れ込む衛兵・・・
「これは、ミカドの御意向である。速やかに、妊娠されたカーネル殿を引き渡してもらいたい。」
「なぜじゃ?妊娠しているカーネルは、身重逆にここにおいて置くのが筋じゃ・・」
「ミナムの子だからです。」
えっ?私は驚愕したあの人たちはこの子を堕ろせと言っているの。なんてことを・・・そう思っていると
ナラ姫は、再び杖の先から稲光をだした。それに怯える衛兵・・・
「いくら本宮様でも、これは反逆に当たりますぞ・・カーネルはどこです。」
「カーネルは妊娠なぞしておらぬ。」
本宮様・・・いくらなんでもそんな見え透いた嘘は・・・絶対無理ですって――――ほら、衛兵達があきれいるし。
「本宮様、もうちょっとましな嘘をつきましょうね。」
「今、滝行をしている。」
ですから――――その嘘まったく通じてないってば・・・衛兵達も笑っているし・・・本宮様、えっ?
私は、目を疑った。そして、衛兵達もわが目を疑った。それは、衛兵達の後ろから私が入ってきたからです。
「本宮様・・・これはどういうことです?」
それ――――私の台詞よ・・・わたしの・・どういうことよ。何故私がそこにいるの?
「カーネルよ」
「はい・・本宮様?」
ちょっと待ってあんた誰?私はここよ・・ここ・・・しかも、本宮様、何もなかったようにしゃべって・・
「この者達がお前が妊娠したというのじゃ。」
「えっ?」
両手を顔に当て、驚いた表情をする私のそっくりさん声までそっくりだ~!!そして
「何を冗談を今まであの冷たい滝に打たれていたのに・・・妊娠?・・このおなかで?」
そういっておなかをさすっていた。確かにおなかがとフト私のおなかを見るとポッコリというか
ふっくらというか・・・出ているし・・・・う~・・・
「嘘をつかれても困ります。このままでは反逆罪に・・」
「ではこれではどうか?」
「ぎゃーー!!!」
私は目を疑った・・・本宮様は、いきなり私のそっくりさんに電撃をかけた。くたっと倒れこんでいる
私のそっくりさん、かわいそうに・・・衛兵も驚いて固まってるじゃない・・・やりすぎよ・・・
本宮様は、カーネルを杖で指していた。
「これでどうじゃ?」
「あ・・し・・しかし・・・」
答えに困る衛兵・・・
「なんならもう一度かけようか?」
ほ・・本宮様・・なんてこと言うのです。ようやく気付いた私のそっくりさん驚いて目をうるませてるし・・
「本宮様・・・お・・・おゆるし・・を・・・」
えっ?なんでそんなこと言えるの?普通もっと怒るべきじゃないの?そう思っていると
「し・・・しかし・・・ミカドがどうしてもお連れしろと」
「ミカドがか・・」
そう言って本宮様私のそっくりさんの方をじっと見ているし~・・・ん?私のそっくりさん・・・どこ見てるの
ん~?私はその視線の先を追った。ほ・・・本宮様?どういうこと?ん?よろよろと歩き出したら・・・ええっ!!!
本宮様に寄り添って・・・ちょっと何してるの?
「本宮様・・・行きたくありません!!」
なんか寒気がしてきた・・・雰囲気やばくない?これって・・・本宮様これはあんまりでしょう。衛兵達も
ほら・・あきれているわ・・・どうしてくれるの?
「しかし、ミカドの命令です。」
こればっかり衛兵ってなんて頭が固いのかしら・・・
「しかたない・・・行かそう・・・ただし・・・」
「ただし?」
「カーネルに何かあったらどうなるかわかってるよのう。」
「そ・・それは、ミカドでも。あの不貞罪は適用されるということですか。」
「そうじゃ。あの法令には、ミカドも含まれておるのじゃから、よく覚悟せよと。もし、カーネルが死んだら
同罪じゃしな・・・」
「わかっております。」
「それとわしも一緒に行くぞ!」
そう言って私を残して本宮様たちは、大極殿へ向かった。
しばらくして、私の部屋に戻ってきた二人・・・私は、そっくりさんを見て驚いた。魔法が解けると
まったく別の人物だったからだった。
「これは、本宮の秘術のひとつじゃ・・・」
そう言ってにこやか話し始めたときのことだった。一人の巫女が中に入ってきた。
「本宮様・・・大変です。」
「何事じゃ・・・」
「ユウ城が陥落したそうです・・・」