二人の運命
俺はミカドの前にいた――――――そこは、大極殿、周りには大臣達が・・・そして、俺の横にはカーネル、ミヌ、そして、ソウシがいた。ミカドは俺達に一声かけた。
「ミナムよ。お前の力をこのグレースの為にもう一度発揮してもらいたい。」
あっ・・・やっぱり―――――俺はため息を付いた。俺の様子を見ていたカーネルは、肘で俺をつついた
「知ってたの・・」
「なんとなく・・」
「そう・・」
そしてミカドはこう言った
「明後日、ユウ城の救援に出陣せよ」
ギオンの攻勢によりユウ城は、一刻を争う状況だった。黒騎士団3番隊が守備に当たっている出城ハン城が攻めの防衛――――敵陣包囲網への個別攻撃により、ユウ城は未だ完全に包囲されていなかった。しかし、これも時間の問題となっていた。
「ミナムよ。頼んだぞ!!」
「ははっ!!」
俺が頭を下げるとミカドは不思議なことを言った。
「ミナムよ・・・お主―――――新婚だったな。ところで新婚旅行はどうであったか?たっぷり楽しめのか・・・」
一体、何を聞き始めるんだミカドよ。ほら――――カーネルも少しムッとしているし・・とその隣のミヌとソウシはもっと不機嫌そうに見えた。
「ええ・・・まぁ・・・」
「そうか・・・それは、よかった。余も今度、新しい妃を迎えたら、行って見るぞ新婚旅行とやらへ・・・」
ミカドはニコニコしながら、俺達を見ていた。そして、次の一言に俺はどう答えていいかわからなかった。
「ミナムよ。お主の新婦は、京で守ってやるから、思う存分暴れて来い!!」
俺はカーネルと顔を見合わせた。ミカドそれは一体どういうことですか?カーネルをおいていけということですか?
「ミカド・・恐れながら・・」
「なんじゃ?」
「カーネルは、私の妻であり、魔導士でもあります。」
ミカドはキョトンとした顔をしていたが、にんまりと笑顔を浮かべ
「それが?」
「で・・ですから・・・一緒に・・・」
「私もミナムと一緒に戦います。」
カーネルがそういうとミカドは、俺とカーネルの顔を交互に見た。そして、ミヌの方を指差し、
「ミナムよ・・・ここにもう一人魔導士がおるではないか・・・それとも、新婦を守るということを信じないのか?」
「い・・いえ・・滅相も・・ございません。」
「ならば、わしらに預けよ。わるいようにせん。」
ミカドがそう言うと横からナラ姫が話をした。
「では、本宮でカーネルを預かります・・・」
チッ・・・余計なことをミカドは、一瞬顔をしかめた。しかし、すぐににこやかになり
「そうじゃな!!魔導士とはいえ、カーネルも女性であったな・・・本宮殿に任せる。」
「御意」
俺は、呆然としてカーネルを見つめた―――――カーネルも俺を見ていた。
嘘でしょう?カーネルはミナムをじっと見つめた。なぜ――――私達別れないといけないの?ミナムの姿が歪んで見える・・・私は、この後、大極殿を出るまで記憶は、まったくなくなっていた・・ただ覚えているは大極殿を出て、ミナムの腕の中で泣いていたことだけだった。
ミナム・・・
ミナム・・・
二人を見ていたミヌとソウシはとても声をかけられる状態ではなかった。
「ソウシさん・・」
「今は、そっとしておこう・・」
「ええ」
出陣前夜・・・・
一緒にいる二人、カーネル――――――俺は、絶対に帰ってくる・・・信じてくれ・・・今、お前に出来ることは俺を刻み込むことだけだ。ただ、カーネルを抱いていた。ミナム――――ミナム全てを覚えとくわ・・・声・・匂い・・・そして、ぬくもり・・・そして、私のことを覚えていて・・・私は必死にミナムにしがみついた。
やがて夜が明け出陣の刻限が近づいてきた。