新婚旅行 2
式場に着くと由美が待ち構えてた。
「遅い!!」
「これでも早い方だぜ!!」
話すミナムを尻目に、由美はカーネルの背中を押していった。
「ささっ・・早く!!」
「ゆ・・由美さん?」
「おれは?」
由美は右の扉を指差して叫んだ。
「右に行くと男物があるから適当にタキシードを合わせて」
「あっそ・・」
由美に背中を押され――――――由美さんそんなに押さなくても・・カーネルはある部屋に入れられた。そこには純白のウェディングドレスがあった。
「きれい・・・」
「でしょ?」
早速、由美はカーネルの服を脱がせ、採寸して体型に近い服を見つけてきた。
「時間がないから。これで勘弁してね。」
こんなドレス着れるなんて・・・グレースでは考えられない・・
「じゅうぶん・・・きれいです・・・」
服を着終わるととすぐに化粧をし始めた。なに?これ?一体何をするの。カーネルは不安になった。見た事もないものを顔に塗り始めたからだった。
「ちょっと・・・」
「じっとしなさい!」
「でも。」
「カーネルさん・・私を信じて・・ね!!」
しばらくして、カーネルの化粧が終った。そして、鏡を見るカーネル・・・えっ?これがわたし?私はしばらく鏡を見ていた。そこに、由美さんがポンと方をたたいて
「さてと!!ドンくさいよっちゃんは?どう?」
そう言って後ろにあるカーテンの向こうを除いた。カーテンからひょっこり首を出した由美は残念そうな顔をした。
「なんだ・・」
「なんだとは・・なんだ・・」
「つまんないの・・準備できてるし~」
「あのなぁ~」
「それでは。じゃじゃーん」
由美は、カーテンを開けてカーネルを披露した。純白のドレスに身を包まれたカーネルを見て息を呑むミナム・・・ジーッと見つめられ恥ずかしそうにするカーネル・・・
「よっちゃん・・・なにか言ってあげなさいよ」
ボーッとしているミナムをバチンと叩く由美・・・
「えっ・・・ああ・・・きれいだ・・」
ったく・・・バカなよっちゃん・・もっといい言葉をかければとカーネルを見ると、真っ赤だし~
参ったねぇ~そう思う由美は、時間がないんだった。
「ささ、チャペルへ行くわよ」
二人をチャペルへ連れて行った。一人の牧師そして、ミナムとカーネルそして、由美この中で二人は永遠の誓いを立てた。そして、二人の写真を撮った。
「あとで、部屋に置いとくから。早く着替えて!!」
カーネルが着替えていると由美が入ってきた。
「着替えた・・・うふふ」
何笑ってるのカーネルがそう思っていると由美が耳元でささやいた。
「今日は、新婚初夜よ・・」
そんなことは知ってるって・・・
「いい思い出になる場所をセットしたから・・・もうちょっと・・」
由美は可愛い服をカーネルに準備していた。そして、手際よく化粧を直し、カーネルをタクシーへ連れて行った。
「早く!!」
ミナムが部屋を出ると由美が叫んでいる。何焦ってるんだ?と俺の手を掴んでタクシーまで引っ張った。
「なんだよ!!」
「いいから!!」
開いたタクシーの前まで来ると中にはすでにカーネルが乗っていた。えっ?と驚くと由美は背中を押し無理矢理俺をタクシーに押し込んだ。そして、封筒を渡してバタンとドアが閉まった。向こうでは由美が手を振ったりガッツポーズをしてはしゃいでいた。俺が窓を開けると由美はこう叫んだ。
「今日はホテルを予約したから、じゃぁ~!!後はがんばってねぇ~!!」
えっ?がんばるって?どういう意味?ん?ちょっとまて?俺はホテルなんて予約していないぞ・・第一・・・支払いはどうするんだ?どういうことだ・・そうださっきの封筒は?と封筒を開けるとそこには、ホテルのカードキーと俺のカードが・・・・そして、領収書ってしかも俺のカードで切ってる・・・由美の奴・・・しっかりしてやがる。やがて、タクシーが動き出した。俺が振り返りカーネルの方を見ると顔を真っ赤にしていた。
「カーネル」
俺が声をかけても、カーネルはじっと俯いていた。
しばらくして、タクシーはあるホテルの前に止まった。そのホテルはこの町では比較的有名なホテルだった。俺がタクシーを降りたが、カーネルは降りてこなかった。
「カーネル」
俺の言葉にビクッとなった
「あ・・・」
そう言って慌ててカーネルはタクシーを降りた。
カーネルは、タクシーを降りて目の前の建物を見て驚いた。なんなのこの高い建物は、これが由美さんが言っていたホテルなの?ふとミナムを見ると少し向こうにいた。
「待ってよ・・ミナム・・・」
「早く来いよ」
「もうっ・・」
私は、走ってミナムの腕を掴んだ・・なんだかすごく嬉しくなってきた。さっきの結婚の誓いと言いこのホテルって建物といい――――とミナムについて行くと、いきなり目の前の扉が横に開いた。そこには、人が5,6人入ったら一杯になりそうな部屋があった。まさかここに泊まるの?
「これは?」
「エレベーターだ、ささ、乗った乗った」
え?乗るの?これ?乗り物なの?えっ?ミナムは私の手を引っ張ってエレベータに私を連れ込んだ。
そして、何かよくわからないボタンを押すと扉が閉まった。そう思うとガクンと下に押さえられそうになった、
「えっ?どうしたの?」
「上に昇ってるんだ。ほら」
思わず抱きついた私に顔で合図してきた。ミナムが示した方を見ると何か丸いものが次々と転倒しては消えていった。私には何のことかまったくわからなかった。やがて、動きが止まり、扉が開いた。そして、私はミナムに連れられて行った。
「どこ行くの?」
「とりあえずレストラン・・・腹減ったろう。」
そういえば何も食べていない。ただミナムに着いて行くとそこはおしゃれな場所だった。そして、外を見ると星を散りばめた様な夜景が眼下に広がっていた。そして、私は夢のような空間でミナムと食事を取った。食事を終え部屋に入った私達―――――ミナムは、私を抱きしめた
「カーネル・・」
何も言わずただ頷いた―――ミナムの手が顎を持ち上げると目が合いその瞬間目を閉じた。いつもより深く長いキス気がつくとすでに何も来ていない私、そっとやさしく触れるミナムの手に私は心も体も熱くなった。熱くなったミナムを受け入れた私―――――そのまま、何度となく目の前が真っ白になり、そして、ミナムによって私の体は満たされていった。あらからどのくらい経ったのだろう?目を覚ますと横には可愛い寝顔をしているミナムの姿が――――と思ったら心は幸福で一杯になった。そして、甘えるように寄り添ったら、ミナムが目を覚まし、私の額にキスをした。
「おはよ・・」
「おはよ・・ん・・」
私の言葉を奪うようにミナムの唇が重なった。そのままミナムを抱きしめると―――朝から元気なミナムが私の中に入ってきた。
本当にどのくらい経ったのかな~ようやく起き上がったミナムと私は、部屋で朝食を食べた。
こうして私たちの初夜は終った。
家に戻ったミナム―――帰りに両親の墓により結婚を報告して、そして、あるものを買って帰ってきた。
すでに由美の姿はなく、写真と一緒に お幸せに!!!と書いたメモ書きを残してあった。
ミナムは、写真をカーネルに見せる
「えっ?こんなにきれいに絵が書けるの?」
そう驚いていた。そして、ミナムは、パソコンに写真と後買った物を貼り付けていた。
「何しているの?」
「こうしたら向こうに持っていけるかもしれないだろう」
「ふーん・・・」
そういうとカーネルはミナムを抱きしめた。
「このままここで・・・」
突如、パソコンが輝きだした。
一方、二人がいなくなった旅館では大騒ぎになっていた。そう二人がいなくなって7日間
今日、返さないと・・・大変なことに、女将は慌てていた。もちろん、いなくなったことは
内緒にしていたのだった。しかし、当然この話は、京のミカドの耳に入っていた。
「ひょっとしてにげたのでは?」
「早く捕まえよ。」
そう言うミカドにフトーは
「まぁ~まぁ~これまで、ミナムは何度か消えています。しかし、数日後には戻っていると報告があります。」
「しかし、フトー」
「そうです。ミカド」
フトーの話にあわせたのはマヤザキだった。
「マヤザキや・・」
「わたしも同様の方向を聞いております。」
「しかし」
不満たらたらのミカドに
「これで、カーネルを京においておく理由もできた。」
「そうか・・」
必死に探していた旅館の女将――――ふと、二人が泊まっていた部屋の前を通ると声がする
まさかと戸を開けると二人がいた。