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リーマンクエスト  作者: Seabolt
南海の死闘
123/201

婚儀  2

会場で一人柱の影にたたずみ、ミナムとカーネルの様子を見て、ため息を付いているソウシ・・やはり来なければよかった。しかも・・・こんな格好で・・・ソウシはそう悩んでいると後ろから声がした。


「おい!!」


また、ナンパをしに来た男かいい加減に!!!後ろを向いたまま言葉を吐き捨てた。


「結構だ。一人にしてくれ」


ソウシは振り向いて言葉を放ったことを後悔した・・・声をかけてきたのはマヤザキだった。

・・・なぜ?マヤザキ様がここに?どうして?


「どうしたんだソウシ・・」


「えっ?」


「何が一人にしてくれだ・・・まるで振られた女のように・・」


ソウシは顔を真っ赤になっていくのがわかった。頭もカーッとしてな・・ななな・・なんてこと言うんですか。マヤザキ様!!!ってなんなんですか?その不敵な笑いは・・ちょっと・・・マヤザキは照れ笑いをしながら、ソウシをまじまじと見ているとソウシはたじろいだ。


「な・・なんですか?」


「まいったなぁ~」


「えっ?」


「見違えるもんだ・・」


「やめてください。」


「十分、女らしいじゃないか・・」


「そんなこと言わないでくださいよ。はずかしいですよ。」


「十分、美しいから自身を持て。俺がエスコートしてやるよ」


エ・・・・エスコートって・・な・・何言ってんですか、マヤザキ様もう・・いい加減にしてください。ただでさえ、恥ずかしいのに、身構えるソウシを見てマヤザキは手を引っ張った。


「け・・結構です。あっ!!」


「いいから・・」


そういうソウシの手を引っ張ってマヤザキはミナム達のところへ向かった。あっ・・・だめ・・・今の私を見られたくない。必死で抵抗するがマヤザキの力のほうが勝った。止めて!!心で叫んでもずるずるとひっぱられる・・・マヤザキは眉ひとつ動かさずに淡々とソウシを引っ張った。顔を隠し引きづられるソウシ・・・やがて・・ミナム達の前についた。ささっとマヤザキの後ろに隠れたソウシ・・・マヤザキ様恥ずかしいですから――――と逃げようとするとしっかりと手を握られていた。

こいつが・・・ミナムか?この男のどこが?そういえば、さっき、あのベッツィー殿もなにやら話していたな~ミナムと面と向かって話をするのがはじめてのマヤザキには、いまいち理解できなかった。


「ミナム殿・カーネル殿・・この度は、おめでとうございます。」


「ありがとうござます・・マヤザキ殿・・ところで後ろの御仁は?」


「あ・・ああ・・」


そう言ってぐいっと手を引いてミナムの前にソウシを引き出した。


「えっ!!」


ソウシを見て驚くミナムとカーネル


「ソウシ、しっかり、挨拶しろ。」


観念したソウシ・・・顔を真っ赤にして、直立不動になり、頭をさげて


「お・・おふたりさん・・・お・・おめでとうございます・・・」


「ソウシ殿・・・ありがとうございます。」


ソウシをじっと見つめるミナムの目に


「な・・・なんです?」


「きれいですよ。ソウシ殿」


「・・・」


思わずソウシはその場から逃げ出した。


「あっ!!」


「なにか悪いことでも・・」


「多分・・・はずかしいだけですよ。」


ニコリと笑みを浮かべるマヤザキは、ミナムに酒を注いだ。


「これは・・・」


ミナムがそそがれた杯に口をつけるとマヤザキが耳元でささやいた。


「この後もソウシのことをお願いしますよ。」


「えっ?」


「どういうことですか?」


「次の遠征でもミナム殿に随行することになった。」


「えっ?」


目を丸くするミナム・・・


「そうですかっ・・・ええ!!」


って事は、次の遠征って、ポメラか・・・・ミナムにはなんとなくわかっていたが何もこんな時に・・・


「声が大きいですよ・・・」


なんなんだその笑みは


「では・・・楽しんでください・・・あ・・あと別の意味でもソウシを頼みましたよ。」


「へ?」


どういう意味ですか?そう思っているとカーネルが話しかけてきた。


「何の話?」


「いや・・・」


「そういえばソウシさんどうしたの?」


「恥ずかしらしい・・」


「あっそう・・」







ソウシは、とりあえず会場の外へ向かった。


「あれは・・」


逃げ出すソウシを見たベッツィーは彼女を追いかけた。会場を出たソウシ・・・廊下で立ち尽くしていた。きれいですよ。ソウシ殿・・・ミナムの言葉に一瞬でカーと頭に血が上り気付いたらここにいた・・・・一体何をいているんだ私は?そう振り返ると二人の光景を思い出し、胸が苦しい・・・そんな時だった


ポンと肩を叩かれた・・・


ま・・まさか・・・ソウシは思わず声を上げ振り返った。


「ミナ・・・・ム?・・・」


そこには、ベッツィーが立っていた。


「ミナム殿でなくて悪かったな」


ソウシはしばらく考えた・・だれだ・・この人?んと顔を見ると傷が・・・えっ?ひょっとして?


「べ・・ベッツィー殿ですか?」


「はぁ~・・・ベッツィー殿ですか?って・・ソウシ殿・・」


ベッツィーは、しっかりしろと言いたがったが、目の前で俯き悲しそうにしているソウシを見て


「お主もか・・・」


「えっ?」


顔をあげるソウシ・・・どういう意味?まさか・・・?ベッツィーはソウシの両肩に手を置いて

ソウシの目をじっと見て


「お主も・・・ミナムのこと・・・好きなのか?」


ただ・・・黙っているソウシは、ベッツィーと目を合わさない・


「ち・・違う・・」


「お主もライバルか・・・」


何を言っているのだベッツィー殿・・私は違うと申したのに・・・ともう一度否定したいがその

言葉がでない・・


「まぁ・・・どちらでもいいが・・・」


ベッツィーはソウシの両肩から手を離した。


「えっ?」


「もっと・・・自分に素直になりなよ・・・じゃぁ・・私は会場に戻るか・・」



素直に・・・か・・・その言葉が胸にズキンと響いた・・・・そして、ソウシは、そのまま会場を後にした。




会場では、キスコールが鳴響いていた。戻ってくるんじゃなかったとベッツィーは入り口の近くの壁にもたれかかった。キスは、婚儀の披露宴締めくくりのイベントとして行われており、逆に披露宴の終了意味していた。鳴り止まぬキスコールの中・・・カーネルとミナムは恥ずかしそうにキスをした


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