婚儀まで・・・1
ミナムとカーネルの視線の先には、ヤマト姫とカーネルの両親が目の前に立っていた。――――――な・・・なんで・・・ここにいるんだ?それにこちをじっと見ているし・・・そう思ったらカーネルと目が合った――――――や・・やばい・・・と俺達はぱっと離れた。
次の瞬間、俺達の頭にヤマト姫の杖が飛んできた。
パカン!!
パカン!!
「いった~!!」
なにも頭を叩かなくても・・・・俺達を見たヤマト姫は
「何!!乳繰り合ってんだ!! ( ふ・・・古い!! ) 結婚もしとらんのに!!」
知ってるくせに・・・俺達の関係を・・・・この程度のこと・・・そうミナムが思っていると
「さ・・・斎宮様・・・そんな?」
「なにが・・・そんな・・・じゃ」
そこで俺達を驚かす言葉を放ったのはほかでもないカーネルの父だった・・・・
「斎宮様・・・まぁいいじゃないですか・・・結婚するんですから・・・」
えらくにこやかな親だな~ミナムがそう思っているとカーネルが切り出した。
「ところで斎宮様・・・お父さん・・お母さんまで・・・どうして?」
「それは、お前の結婚式に出るためだ・・なぁ母さん」
「ええ・・」
ちょ・・ちょっと待て?ミナムとカーネルは顔を合わせた、だいたいさっき俺達の結婚は、ミカドから許されたばかりのはず・・・それにカモベ村からここまで3日は、かかるぞ?どういうこどた?そう疑問に思っているとヤマト姫が話し始めた。
「明後日、お前らが結婚すると聞いて、わしらは、先にここへ来たんじゃ・・」
「斎宮様?」
「なんじゃ?」
「その話・・・いつ聞いたんですか?」
「4日位前じゃが・・・どうした?」
「――――――― ええ!!!」
ミナムとカーネルはその言葉に驚いたが、周りの目は冷ややかだった。
「何をそんなに驚いておる」
ミナムとカーネルはただ顔を見合わせてるのが精一杯だった。
「明日には、村長たちも来るぞ・・・・ところで・・・ミヌは?」
「ミヌですか?本宮様に会いに行くって言ってましたけど・・・なぁ~カーネル」
カーネルもミナムの言葉に頷いた。
「おかしいのう?」
「何がです?」
「わしらは・・・ナラのところによってきたのじゃが・・・ミヌとは会わんかったぞ。」
「へ?」
ひょっとして、ミヌの奴・・・この京で迷子って?
「カ・・・・カーネル」
ミナムがカーネルを見るとカーネルもおどおどしながらミナムの方を見ていた。まいったな
カーネルも・・・・しかし、俺も京のこととなるとわからないしなぁ~
「どうしよう・・」
ちょうどその頃、ミヌは、フトーと会っていた。
「フトー様・・・なんでしょうか?」
フトーはしばらく、ミヌを見ていた・・・気持ち悪いよこのおっさん・・・じろじろ見ているし・・・そう思うミヌに対し、フトーは、こう言った。
「お主・・・ミナムを独占したいか?」
「えっ?」
何を言ってるのこのおじさん・・・大体・・・すでにカーネルさんがいるし~・・・どうにもできないよ・・・そう半ばあきらめているミヌに不思議なことをフトーは言った。
「ミヌよ・・・わしの言うことを聞けば・・・ミナムを独占できるぞ」
絶対、あやしい・・・何考えているの・・・ミヌがそう思っていると
「お主には何もせんから安心しろ・・・」
「どういうことですか?」
「次の出兵の時に、これらを持って言ってほしいのじゃ・・・」
そういうとフトーは、ミヌの前に、鏡と勾玉そして、紙包が数個入っている紙袋を渡した。
「これは?」
「鏡は、魔除けじゃ・・・勾玉も同じ・・・そして、紙包みは滋養強壮薬じゃ」
「どうやって使うのです?」
「鏡と勾玉は常に持ち歩け・・・特に勾玉は首からはずすな・・」
「これは?」
この薬はどうやって使うのと思っているとフトーがにやりと笑い
「ミナム殿が疲れているとき、食事に入れるがよい・・・あとはお前しだいじゃ・・それじゃ・・」
えっ?これだけ?一体何いっているのこのおっさん?そう思っているとフトーが
「そろそろ行くか・・・それと・・・京で迷子になったことにしなさい・・」
そう言ってミナム達のところへ案内された。
一方、ミナム達は、ミヌがいないことに慌てだしていた。
「どうする?」
「どうするって?私たちも京は、わからないし」
「あっ!!ソウシ殿に頼んでは?」
「それが一番かも・・・」
そう言っている時に、彼らのいた部屋がの扉が開いた。一同開いた扉を見ると
そこにはミヌとフトーが立っていた。
「ミヌ!!」