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リーマンクエスト  作者: Seabolt
南海の死闘
113/201

フトーの邸にて 2

やがて宴が始まった。そこにはミナム達一行以外に、フトー、マヤザキ、陸軍大臣のナンゴウがいた。


「今日は皆様方にお越しいただいたのは、ルーシー海賊団投降の立役者であるミナム殿一行にささやかでありますが私から感謝の意を表して本日の宴を楽しんでいただきたい。」


フトーの挨拶の後、すぐに乾杯が行われ宴が始まった。


「ところでミナム殿・・」


そう言ってミナムに近づいてきたのはフトーだった、


「はい・・」


あやしいなぁ~このおっさん・・・そう思っているミナムにフトーは頭を下げた。


「ど・・どうなさったのですか?」


そういうとフトーが耳元でささやいた。


「先ほどはお気に召さなかったようで・・」


やはり・・・このおっさんの仕業か・・・


「あ・・あの・・そういう意味ではなくて」


「それでは?」


「実は・・・」


ミナムはそう言って耳元でそっと言った。


「婚約者がいるんです。」


「ほう・・それが?別に少し遊ぶくらいいいじゃないですか・・・」


「実はこの中にいるのです・・」


「えっ?まさか?ソウシ殿?」


「そんなはずないでしょう。」


ミナムは首を横に振って否定した。


「では?あの魔導師の中の一人?」


頷くミナム・・・


「あちらの?」


「そう・・・」


「そうでしたか・・・これは出すぎたまねをしましたな・・・ははは・・・ところでミナム殿このめでたい話・・・ミカドの前でしてもよいか?」


「は?」


何言ってるんだ。・・・このおっさん・・プライバシーの侵害だろう?

そうミナムが思っていると


「ところで・・・私が婚儀のことを進言いたそうか・・」


「な?」


「ははは・・まぁ・・・・あとは楽しく・・あ・・そうそう・・・これを・・」


フトーは手元からなにやら竹の筒のようなものを出した。


「それは?」


フトーはぐい飲みをミナムの前に出し、その筒から飲み物を注いだ。


「ささ・・・これを・・・」


ぐい飲みを手に取り、フトーの方向を見たミナム・・あやしいぞこれ・・・絶対何かある・・・


「これは?」


「滋養強壮の薬です。これを飲むと体の疲れが取れますぞ・・・」


「本当ですか?」


「そんなに怪しまなくても~」


「あ・・・そんなつもりは・・・」


「なら・・・私が・・・」


そう言って同じ筒から自分のぐい飲みに液体を入れ・・ミナムの目の前で飲み干したフトー


「これでどうです?」


「わかりました。」


しかたない・・・飲まないと・・・ええい・・・ままよ!!とミナムはその液体を飲み干した。

なんとも得体の知れない苦いようなすっぱいような液体だった。しかし、体にはなんら変化がなかった。あれ?そう思っているとフトーが


「効き目は、しばらくしてからじゃよ・・・ははは」


そういい残してフトーは、ミナムの前から去って行った。


そんな宴の中、ソウシはマヤザキと酒を酌み交わしていた。


「マヤザキ様・・・・明日以降は、」


「明日は、ミカドへの謁見がある。その後は、その時にわかる。」


「そうですか。」


「まぁ・・・そういわずお前も飲め・・・」


「マ・・マヤザキ様頂きます。」





「ところでミナム殿は、お二人の魔導師がおられるとか・・・」


ミナムに話しかけているのは、ナンゴウだった。


「大変でしょう・・女性魔導師が二人もいると・・・うらやましい・・」


相当酔ってるなこのおっさん・・・そう思っていると次の言葉を聞いて飲みかけた酒を思わず噴いてしまった。


「大変でしょう・・・夜の方も・・」


何言ってんだこのおっさん!!!




そんな光景を見ていたソウシにマヤザキが話しかけた。


「どうした・・・ソウシ・・・」


「あ・・・別に・・・・」


ソウシが答えに戸惑っているのを見て、口元がすこし笑ったマヤザキ


「お前、ミナムのこと好きなのか?」


な・・・なんてことを言うんですか?ソウシは思わず固まってしまった。


「図星か?」


「違います・・・マヤザキ様があまりにもありえないことをおっしゃるから・・・」


「ははは・・そうか・・すまなかった・・・」


「ところで、マヤザキ様・・」


「何だソウシ・・・また、仕事の話か」


「ええ・・これだけはお耳に入れておかねばと・・・」


「仕事の話は、したくないが・・・」


そう言ってマヤザキはソウシの目を見ると真剣だった。


「しかたない・・・なんだ」


「先日の会戦で、2番隊隊長トリニィがギタの魔導士として現れたのですが。」


その言葉を聞いたとたん、マヤザキの目は鷹のように鋭くなった。そして、


「その件は、後日伺う、他言無用だそ」


「わかりました。」





ミナムの横にはカーネルとミヌが来ていた。そして、


「あの二人、いい感じね」


「そうですね」


そう言ってカーネルは、ソウシとマヤザキを指差した。


「えっ?」


「ソウシさん・・・かわいい・・・あんな反応して」


そう言ってミナムの肘をつついたカーネル


「ホント・・」


そう言ってミヌもミナムのほうを見た。


「そうだね・・・」




やがて宴が終わり、ミナム達はそれぞれ別の部屋に向かった。ふとミナムが見るとソウシがいつもとかなり違いふらふらしていた。


「ソウシ殿?大丈夫ですか?」


ミナムが声をかけると・・・ソウシはしばらくミナムを見つめた。私は・・・と視線を落とし、空を見た。空には雲がかかった朧月が庭を照らしていた。


「ソ・・ソウシ殿?」


「大丈夫です。もう少しここで風に当たっています。」


「そうですか・・・それでは。」


ミナム達はソウシをおいてそれぞれの部屋に入って行った。ミナムの後姿を見送るソウシ

しばらく風に当たっていたソウシ・・・気持ちがいい・・・ふとあの時、ベッツィーがストレートにミナムの告白していたのを思い出していた・・・・私には、できない・・・そう思うと朧月がますますにじんできていた。




しばらくして、ソウシは声をかけられた、そこには、ミナムがたっていた。


「ソウシ殿・・・まだ・・・おられたのですか」


やばい・・・今は見られたくないそう思ったソウシは、ミナムから顔をそらした。


「ええ・・」


「そうですか・・・風に当たると気持ちいいですな」


「ああ・・そうですね。」


早く行ってくれ頼むからそう願うソウシ


「ソウシ殿、ありがとうございました。」


「えっ?」


「あなたがいなかったら・・・・(今はどうなっていたことか)」


ソウシにはミナムのあなたがだけしか聞こえなかった。あなたが・・・その後は?一体何を言ったんですか?そう戸惑うソウシに次に聞こえたのは


「ありがとう・・あっ・・・それと、いい感じでしたね」


「えっ?」


ミナム殿・・一体何が言いたいのですか?ソウシの頭の中には”?マーク”が3つ以上点灯していた。


「マヤザキ殿と・・・ツーショットで・・・好きなんでしょ?」


「そ・・・そんなことありません。」


「それは失礼・・」


そういい残してミナムはソウシの肩を叩いて、部屋に戻ろうとした。

再びミナムの背中を見送ろうとするソウシ・・・・・どうすることも出来ない自分がそこにいた。しかし、思わずミナムの背中を掴んでしまった。


驚いて立ち止るミナム・・・


「ソウシ殿?」


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