ダイズ沖の修羅場
しばらく、二人の光景に唖然とするカーネルとミヌがいた。ソウシは、ただミナムに抱きつきただよかったとつぶやき、抱きつかれたミナムは、何が起きたかわかっていなかった。そして、ミナムの両肩を持ち涙目でミナムをじっと見つめ、もう一度ミナムを抱きしめた。
「よくご無事で・・」
その横からカーネルの震える声がした。
「ソ・・ソウシ殿?」
「あの~」
ミヌの声もしてきた。そして、ふとわれに返ったソウシだった。あ・・・しまった・・・とソウシのミナムから離れた瞬間、顔を真っ赤にしてその場でうずくまってしまった。
真っ赤になった顔を両手で隠し、俯き座り込んだソウシの姿。その目には、いつもの鷹のような鋭さもなく、ごく普通の女の子の目をしていた。
その様子を見ていたカーネルとミヌ、カーネルは思わずミナムの耳を引っ張った。
「イテテ!!」
「ミ~ナ~ム!!」
「痛いってば!!」
「どういうこと!!」
「どういうって?」
「ひょっとして・・寝たの?」
その一言に、慌てふためくミナム、横で耳まで赤くするソウシ
「そ・・そんなはずがあるはずないじゃ・・・」
今度はミヌがミナムの頬をつねった。
「そんな~!!ミナムさん!!」
「わ・・・私は、寝てなぞおらん」
そんな甲板上での修羅をよそ目に、ベッツィーは、ため息を付いた
なにをやってるんだか・・・そう思っていると副長が横から話しかけてきた。
「海賊の動きが鈍くなっています。このまま包囲網を突破できるかも。」
「そうか」
ベッツィーは副長の方を振り向いた。
「全館に告げよ。全速前進!!本艦が突っ込み切り開くと」
「は・・」
「魔導士隊を船首に配備、全砲門準備・・」
「全砲門準備!!」
ベッツィーの言葉が艦内でこだまする。その喧騒の中、ミナム達の修羅場はまだ続いていた。
ギタの海賊船内では、部下が一人こう叫んだ。
「右舷から僚船が近づいています。」
「そうか・・・」
少し安堵の表情を浮かべるギタだったが、次の一言を聞いて慌てた。
「船尾から海軍が近づいています。!!」
「なに~!!、クリオは?」
「包囲網が遅れている様で」
「なんだと~!!全速だ~!!全速!!」
ギタは拳を上げ唾を飛ばしながら叫んだが、反応は冷ややかなものだった。
「もう・・限界です。」
その言葉に部下の胸倉をつかみ前後に激しくゆするギタ。
「限界だと!!!何でもいいから逃げろ!!」
「し・・しかし・・」
「船長!!」
別の部下がギタの前に出てきた叫んだ。ギタは別の部下のつかんでいた手をはずした。
「なんだ!!」
「あの僚船・・・カイソンです。」
「何!!」
や・・・やばいぞ・・・そう考えるギタ・・・どうしたらいいんだ?
そんな時、ギタの海賊船の前方にその様子を見ながら近づいている船団があった。
「船長。ギタの奴、逃げ惑っていますぜ」
「ふん・・しょせん・・あの程度の男よ」
「もう一隻もスクィニーの仲間っぽいけど、なんだか様子が変ですぜ」
「そうだな~まるでギタを追いかけているようだな。」
ルーシー海賊団の船団20隻が近づきつつあった。