決闘
斎宮のヤマト姫の仲裁もあり、決闘は7日後に決まった。
しばらく、ミナムは、カーネルとミヌそして、ヤマト姫が協力し
多少の武術訓練を受けた。
そして、一週間が過ぎ、決闘の日がやってきた。
決闘の入り口には、カーネルの婚約者だったゴリアテをいた。
そして、「お前がミナムか」とにらみを利かすゴリアテ
彼こそ、カーネルの婚約者だった。
身長で言うと、ミナムの約1,5倍
ミナムが現在の約170cmとすると260cmくらいあった。
ゴリアテを見たミナムは、
「あれと戦うのか?」とカーネルに聞いた。
「勝たないとあなたは、死ぬのよ、私と一緒に・・・」
「大丈夫ですよ・・・私がいるから・・」と横で声をかけるミヌ・・・
「わたし、信じてるから・・・」そう言って、ミナムの両手を握るカーネル
「ああ・・」
「がんばって!!!」と励ますミヌ
「ああ・・」
「そろそろ時間じゃ・」
「私は、結界の中に行くから・・」
そういって、カーネルは、ヤマト姫に連れられて行った。
決闘場に向かうミナム、本当に俺は大丈夫なのだろうか?
決闘場に入ったミナム、、目の前に立つゴリアテ・・・・
間近で見てミナムは、でかい・・こんなやつに勝てるのか?
そう思いながら、剣を構えた。
「こんなチビと戦うのか」
それがゴリアテの一言目だった。そして、ギャラリーのほうを振り返り、
人差し指を天にむけ
「一分だ。」
おおっとどよめくギャラリー
「一分で充分だ。」
一分持つのか俺と逆に心配になるミナム・・・
やがて、ドン、ドンと始まりの合図の太鼓がなった。
にやりと不適な笑みを浮かべるゴリアテ、大きく振りかぶって
「覚悟!!!」
と剣を振り下ろした。
キーン!!!という高音が決闘上に響き渡った。
「ミナム!!」そう叫ぶカーネル
ミナムは、ゴリアテの攻撃を剣で受け止めていた。そして
あれ?と不思議な感覚がミナムを襲った。
こいつ、思ったほど力がないぞ。・・・そう思ったミナムは、
必死になって押さえつけるゴリアテの剣をえいと押し返した。
すると、ゴリアテの剣は跳ね返され2、3歩後ろに交代するゴリアテ、
すげ~これがミヌの魔法の力かとミナムが感心していると
「貴様!!!!」とゴリアテは本気で怒り出し、何回も刀を振り下ろしてきた。
キ~ン!! キーン!!と会場に響く金属音・・・・
そして、再び剣をあわせ、力比べとなった。
「今度は、さっきのように行かないぞ!!!」と力むゴリアテ、
さっきとは違うようだと思ったミナム・・・そして、力を入れて
ギン!!!と
その剣を跳ね返すと、後ろによろめくゴリアテ・・・
会場はその光景に驚愕した・・・
「あのチビ、やるな!!」
「勝負は互角か!!」
と会場がどよめき始めた。
そんな時だった。
「待て!!!」と会場の外で声がした。
その声の主は、ゴリアテの兄、ガリデアスだった。
「兄じゃ。」
「貴様!!!、卑怯なやつだな。」
不思議そうにガリデアスを見るミナムとカーネル
ガリデアスの横には、ミヌがいた。
「この魔導士は、誰だ。」
「えっ?」
「カーネル以外にこんな魔導士とも契りを交わしていたとは、卑怯なやつ!!!!」
会場は、ミナムに向かってブーイングの嵐だった。
ガリデアスは、まず、ミヌを結界の中に連れて行った。
そして、「この決闘は仕切りなおしだ。」と叫び
「俺の選んだ剣で再開する。」
と言って、二人に同じ剣を渡した。
その剣は、ミナムが持っている剣よりはるかに大きくなっていた。
しかし、ゴリアテにとっては、自分が持っていた剣と同じ重さだった。
仕方なく、その剣を手にするミナム、ふと、さっきより軽くなったなぁ、そう思った。
その光景を見て、頭を抱えるヤマト姫、
ミヌのバカ・・・失敗しおって・・・そう思い、ミナムに念を送った。
「ミナムよ・・・・とにかく、力を抑えるんだ・・・いいな」
えっ!!えっ!!!何の今の・・・ただ驚くミナムに
「はじめ・・・」と再び決闘再開の太鼓が鳴り響く
誰しもがミナムが一撃でやられると思っていた。
「貴様!!!覚悟!!!」そいって、ゴリアテは、ミナムに切りかかってきた
そして、大上段から思いっきり刀を振りかざした。
さっきと同じように受けるミナム
キーーーーン!!!!という金属音が会場になり響き
つばぜり合いをする二人、
ミナムが力を要れさっきと同じように跳ね返した時だった。
その光景に会場の誰しもが我が目を疑った。
ギンという音と共にゴリアテの剣は跳ね返され、その勢いで、後ろ吹き飛ぶゴリアテ、
「うあああぁぁぁ!!」という叫び声と飛んでいくゴリアテ、
どすーんと会場の壁に叩きつけられた。
そして、ゴリアテは、その場で意識を失った。
静まり返る会場・・・
「えっ・・・」と声も出ないガリデアス
それより驚いたのは、ミナム
一体何が起こったんだ・・・
「あ~あ・・・やっちゃった。」とミヌが言うとその横にいたカーネルが
「一体どういうこと?何の魔法をかけていたの?」
ミヌのほうを見て聞くと
「ミナムさんの力を抑える魔法・・・」
「えっ?」
「この間、不動の剣を持ち上げたでしょう」
「ええ」
「あの時、まったく魔法をかけてなかったの」
「あれって?ミヌがとぼけてたわけじゃなかったの?」
「そうよ。だからこんなことが起きたの。」
「あの体つきで?」
「そうじゃ・・」と後ろからヤマト姫がやってきて。
結界に一本線を追加し、結果の中に入ってきた。
「あやつの力は、尋常じゃない・・・わしにも測りしれん・・・」
「どういうことですか?」
「たぶん、今、最初と同じくらいの力で跳ね返そうとしただけだろうが、
それで、あのゴリアテの巨体があそこまで飛ぶぐらいの力じゃ・・・」
そう言って、カーネルの肩をぽんとたたきヤマト姫は耳元でつぶやいた。
「カーネルよ。本当に、契りをしていたら、お前は天国にいってるぞ。」
その言葉に耳まで真っ赤になるカーネル・・・
「そんな・・」
「こら・・・変な想像をするな・・・」
「えっ?そんなこと・・・」
「天国と言っても、本当の天国だが・・・」
「えっ?」
「そらそうじゃろう、あの力で抱かれたらひとたまりもあるまい。」
その言葉を想像して、ぞっとしたカーネル。ちょっと待って・・
斎宮様、本当のこと知っているの?どうしよう?と戸惑っていると
「どうしたんじゃ・・・」
「斎宮様・・・ごめんなさい・・」
「何のことじゃ?」
「わたし・・」とカーネルが言おうとするとカーネルを指差し、言葉をさえぎった。
「わしは知らんぞ何も・・」
「ありがとうございます。」
「それより、禊をせねば・・・カーネルとミヌもな」
「ミヌも?」
「カーネルさんの後は、私ですから・・・」そううれしそうに言うミヌ
「さあ・・勝者を祝福しておいで。」
ヤマト姫の言葉に
「えっ・・」
「お前の契りの相手だぞ、せめて抱きしめてやれ・・・」
「えっ・・でも・・・」
真っ赤な顔がなおらないカーネルに
「じゃぁ・・私が行きますよ。」
ミヌがカーネルをけしかける。
「待って。行くわ」
そういって、ミナムに向かって歩くカーネル
近づくカーネルを見つめるミナム
「ミナム・・・」そういってミナムを抱きしめるカーネル
そして
「ありがとう・・・」耳元でささやいた。