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リーマンクエスト  作者: Seabolt
リーマンから英雄?
1/201

リーマンの終わりは突然に

グレース・・・


 この地は、千年の都、京を中心に栄えてきた。千年の都も治めていたミカドも代が嵩むにつれ、その霊力も衰えその平安も影を落とし、百鬼が跋扈する事態となっていた。

 ミカドもこれまでとは違い黒騎士団と呼ばれる、魔導士と騎士の両方の力を兼ね備えた軍団を結成し、この事態に対応していた。しかしながら、闇の勢力は、グレースの平和を脅かしてきたのだった。

 サラリーマンだった山本美男は、気がついたらこの地にいた。そして、ミナムと呼ばれ生きていくことに。

この地でミナムを待ち受けるものとは






「ミナム・・」


ん?誰かがよんでいる・・・


「ミナム・・起きてよ」


 ここはどこだ?


 見たこともない天井が彼の目に入ってきたのだった。それもそのはず、ついさっきまで彼は自分の家にいたのだという記憶しかない。しかし、目の間には、見たこともない光景が広がっていた。わが目を疑った彼は、目をつぶった。


こんなはずがない・・・


しばらくして、目を開けるとやはり、見知らぬ風景がそこにある。さらに辺りを見渡すと剣や盾といった武器が目に入って来た。


 一体何があったんだ?


 そう悩んでいる彼の名は、山本美男やまもと よしお、さっきまではごく普通のサラリーマン。そう言えば、家で奇妙なUSBをパソコンにさした後、まばゆい光が輝いてから、現在に至る。


「どうなっているんだ?」


すると、女性の声がしてきた。


「ミナム・・・気がついたの?」


 彼にとっては、全く聞き覚えのない声だった。声がする方へ視線を送ると、見知らぬ女性がほほ笑んでいた。どうやら、彼女はまるで彼の知っているかのうようだった。けれど、そんな彼女を初めて見た彼にとっては、奇異な目で彼女を見たのは当然の行動と言える。しかし、その行動を見た彼女は少しむっとした表情を浮かべた。そして、名前を再び呼んだ。


「ミナムってば!!」


 よく見るときりりとして目は青く、肩まで伸びた鮮やかなブロンドの髪の美少女がそこにいた。はっきり言って俺の好みだと美男がそう思った時だった。彼女は顔をのぞき込んで再び言って彼の肩を揺すった。


「ミナム・・どうしたの?」


 あまりにも近い距離で、体を揺さぶられたことに戸惑っている美男は答えることすらできるはずもない。なぜなら、彼女のことを知らないからだ。こうして、二人の間に無言の時間が続いたのだった。

 そうしている間も彼女は、じっと美男を見ていた。すると彼女は彼の名前を呼んだ


「ミナム・・・しっかりしてよ」


 美男にとってはさっきからミナムと呼ばれること自体が不思議であったに違いない。なぜなら、彼の名前は、山本美男なのだがら、そんな彼に向かって、真面目な顔でミナムと言ってくる美少女に、ようやく、その重い口が開いた。


「ミナムって誰だ?」


 すると彼女は、目を大きく見開いて驚いたのもつかの間、すぐさま美男を指差した。


「あなたのことよ」


 逆に指を差された美男は戸惑っていた。さっきまでサラリーマンをしていたはず・・・確かに昨日飲みすぎたのは確かなことだった。しかし、家に帰った迄はきっちりと覚えているけど服が違う・・・そして、今いる場所も自分の家ではない。彼は恐る恐る自分自身を指差し確認した。


「本当に俺のことか?」


「そうよ。本当にどうしたの?」


 軽く謎の美女がうなずく姿を見て、彼は天を仰いだ。本当にどうしたかは俺が一番知りたいことだと心でつぶやいた。そんな状況の中、彼はとにかく現在の状況を把握しようと努めた。


「ところで、君は?」


 その言葉に不思議そうな顔をした彼女は、彼を一蹴した。


「何言ってるのよ」


 驚いている彼は、眼を丸くして彼女を見つめた。そんな様子を見て再び声をかけてきた。


「どうしたの?」


「だから君は?」


「分らないの?」


 そう言いう彼女に対してただうなずいていると、彼の方をまじまじと戸惑いながら見る女性、そして、震える声で質問を繰り返した。


「本当にわからないの?」


 彼は素直にうなずいた。はぁーとため息をついた彼女は、再び彼の方をきっとにらんだ。そして、


「あなたの妻よ!!カーネルよ!!」


「カーネル?」


 その言葉に彼の脳は今までの経験と言う記憶をかき集めようやく答えを出した。その答えとは、そうあのカーネル○ンダー○だった。そして、一言


「あの○ライド○キンの?」


「は~?ミナム、一体何を言ってるの?」


カーネルはあきれた顔をした。そして、彼の両肩に手を置き、


「本当に?」


うなずくしかない彼


「本当なの?」


ただうなずく彼、そんな彼の一言にカーネルの手に力が入った。


「じゃぁ・・・あの時の思い出も?」


あの時って何だ?彼は、首をかしげた。


「じゃぁ・・あの熱い夜の想い出も?」


そう言って肩を落とすカーネル


「俺とおまえは一体どういう関係なんだ?」


 その言葉がカーネルのハートを串刺しにした。そして、カーネルはワーッと泣き出した。


「そんなの~ないわよ!!!。契りを結んだばかりなのに~!!!」


 契りって?ひょっとして、俺、彼女と寝たのか?そう驚く彼がそこにいた。


「忘れるなんて!!!。ひどい!!!」


 そう叫んで泣き続けるカーネル。そういわれても俺には何のことだかまったくわからない。一体、どうしろいうのか?まず夢かどうか、それを確かめるべく彼は自分の顔をつねった。


かなり痛い。


ってことは、


残念!!


夢ではないようだ


 現実に目を戻すと、やはり、床に顔を伏せて、泣いているカーネルがそこにいた。とりあえず、記憶をたどることにした。そういえば、あいつ、杉山のやつがへんなものを持ってきて、それをUSBにさしてからだ。あの時に、そういえば、変な光が光ったのを思い出した。


ということは、おれは、死んだのか?


しかし、さっきつねった時、痛かった。


そんなことを考えながら、外に出た。ふと近くを見ると小川があった。そこに写ったのは、今まで良く見てきた彼の顔がそこにあった。


これは、どういう意味だ?


途方にくれる彼だった。


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