後始末
「やれやれ。」
貴様たちは少しはあの方のために役には立ったのだろう。薬を渡されそれを流し、金をもうける。その対価として、あの方に金を献上する。そう。まさに役に立っていた。だからここで始末する理由は正直わからない。そう命令されたからそうするだけだ。
「なぜだ?なぜ?あなたがここに。」
「悪いな。いろいろと役に立ってもらっていたのに。あの方の命令は絶対なのだ。しかし、弱いな。これじゃあ不完全燃焼だ!!俺をもっと楽しませてくれよ!!誰か!」
「嫌だ。死にたくない。」
そう言った瞬間にはもう死んでいた。
男は、そのまま黒ずくめの組織のボスのところに向かう。途中、ロボットが出てくるがすべて瞬間的に機能を停止し、そのままへしゃげていた。
「なんだこれは?お前たちがなぜ?私の組織がなぜ?」
黒ずくめの組織の人間はその間にもどんどんその男を襲うが全て一瞬のうちに始末された。
「まあこんなものか。張り合いがない!!弱すぎる!!雑魚ばかりだ!!」
男はそう言って最後に残っている部屋に入った。そこで待っていたのはこの組織のボスだった。
「部下たちを倒したのは貴様か?」
「そうだとも。お前たちはあの方の邪魔をした。だから倒す。それだけだ。」
「なぜだ?我々は少なくともあなたたちの邪魔になるようなことはしていないはずだ!」
「あのお方の命令は絶対だ。それがお前たちが死ぬ理由だ。」
「くそ。外道が!」
向かい合う二人。
「初手は譲ってやる。」
「なめやがって。おれはこの世界でも数少ないスキルを使える人間だ。部下たちの仇はとらせてもらう。」
そういって、黒ずくめのボスは、
(ファイヤーボール!)
スキルを行使し、
「なぜだ。」
そう言った瞬間には切られていた。
「貴様たちの敗因は、自分たちが強者だと思いあがっていたことだ。」
そう言い残し、去っていった。
ある家、
目を覚ますと今度は、見知らぬ人の家だつた。
「あら。ずいぶんと眠っていたじゃない。」
美女が立っていた。
「可愛い。」
「え?いきなり何を言っているのよ。」
その美女は、顔を赤らめながら急いでキッチンのほうに向かった。そして、何かを作っていた。
「で?これは一体なんだ?」
「あら。なんのこと?」
「この鎖でおれを縛って何がしたいんだよ?」
「え?あなたこういうプレーが好きなんじゃないの?」
「何の偏見だよ?」
「これ。」
そういって、携帯を見せられた。そこに映っていたのはおれが親へのメッセージを送っている動画だった。
「いやこれは。」
「あなたに折入って頼みたいことがあるのよ。」
「いてててててて。縛られた拍子に手を骨折したみたい。」
「そうなの?じゃあ病院にいく?」
「行く。」
「残念ね。対価としてお金を支払うつもりだったのに。」
理不尽だと思いながら、お金のない身としては嘘を撤回せざるをえなかった。
「で?何処に行くんだよ?」
「それは、いぅてから説明するわ。」
ニートとしては非常に怪しいと思いながら行こうと思うのだった。
しかし、初めての女の子の部屋だな。こんな感じなのか。いや、ピンクだな。ニートとは当然自分で働く意思をなくした者のことを言う。つまり、それは社会の道から外れることを言い、自然と交友関係もなくなる。つまり女子と付き合うこともなくなるというわけである。
「うううううう。悲しいな。」
「なによ。急に泣き始めて。そんなに鎖が痛かったの?外してあげるから待ってなさいよ。」
さすがに人が泣き始めたらかわいそうに思ったのか急に優しくなるのだった。
急にニートの妄想劇場が始まる。
「はい。これで鎖を外したわよ。」
「ありがとう。」
急に女の子が新聞を踏んで滑り倒れそうになる。そこをおれがさっと腕を後ろに回しながら衝撃をうまくやわらげつつゆっくりと優しく横にする。
すると、
「あ、ありがとう。」
顔を赤らめながら女の子が言う。そして、
「これぐらいなんてことはない。大丈夫だよ。」
かっこよくできるだけなんのこともないように言う。すると、なんてクールでかっこよくて優しい人なのかしら。
ってなことになると思いますが。そして、最後は
「付き合ってください。」
なんてことにならないかなあああああああああああ。
「なんか気持ち悪いんですけど。そんなににやにやして。なんかごめんなさい。」
「あ。」
なんかやってもうた。またかああああ。自分に落胆するニートであった。
「じゃあ行くわよ。」
そう言って、ニートは美女と一緒に移動を開始した。
「ちなみにあなたの名前は?」
「私は千紗希。あなたは?」
「俺は智大。よろしく千紗希さん。」
「よろしくお願いします。」
しばらく歩いて一軒家の前に着いた。
「ここよ。あなたに来てほしかった家は。」
「え?全くもって知らないところなんだけど。」
「そうね。でもあなたの専門分野でしょ?」
「え?何が?」
そう言っていると、中から
「おい!ちんたらしているんじゃない!」
怒鳴り声が聞こえ厄介事の匂いがした。
とても大きな白い家だった。よくよく表札を見てみると、貴族の家名が入っていたためおそらく現代においても大きな影響力をもつ貴族の家であると思われる。
「おまえはこんなこともできないのか?」
「きゃあ。次は同じことをしないように気を付けます。」
そんな声が玄関前にいてもわかった。
チャイムを鳴らす。
「すいません。」
「はい。どなたでしょうか。」
先ほど聞こえた女性の声が聞こえた。
「通報を受けてまいりました。福祉団体のものです。」
「あ。少しお待ちください。」
そういい扉を開けたのは20代後半くらいの女性だった。疲れているのだろうだいぶやつれて見えた。
「先ほどの声は一体なんですか?」
「ああいえ。先ほどは少しあのーそうロボットと会話をしていたのです。」
「ロボットに謝るんですか?」
「なにごとかね?」
しわがれた声とともに奥からからやってきたのは貴族と思われる男性だった。
「いえ。旦那様。少し道を尋ねに来られまして案内をしていたところです。」
「そうなのかね。はやいこと立ち去ってもらいなさい。」
「いえ。私たちは。」
すると女性が。
「少し黙ってください!」
あわてたような声でそう静止した。
「どうしたのかね?ただの観光客ではないのか?」
「ええ。そうです。私たちは通報を受けてまいりました。福祉団体の者です。」
「福祉団体?まさかおまえが通報したのか?」
「いえ違います。旦那様。」
「だったらさっさと出て行ってもらいなさい。あとから話があるからな。」
「ひ!」
そのおびえようにひどく心の傷があるように見えた。
「あなた一体なんの権利があってここまで使用人を怯えさせるようなことができたんですか?」
気づけばそう口走っていた。
(思い出す断片的な記憶の中でいつもこんな人たちを見てきた。おれはいつも怒っていた。)
「なんだと?」
「なんの権利があってそんなことが出来るんだとそう言っているんだ!」
そう言い切ると、家主は、紋章を見せた。それはいわゆる奴隷の紋章だった。
「これがあるかぎりこいつは、一生俺のものだ。生涯おれに尽くしてもらう。」
そう宣言した。
「あきれたやつだ。いまだこの時代になってもこんなろくでもない魔術が残っているとはな。」
そういいながら、ニートは使用人のほうに歩み寄る。そして、
「紋章がある部分を出してくれるかい?」
そういわれ使用人は、
左腕の裾をまくり、紋章をニートの前に出した。
ニートは紋章に向けて、手を翳した。すると、紋章が消えた。
「え?」
使用人が、貴族が、その場にいる全員が驚いた瞬間でもあった。




