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おっさん冒険者のキャラクターシート  作者: 愛自 好吾


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第96話 Eランク昇格試験 2





 まずは朝飯を食べる、冒険者ギルドに併設された酒場のテーブル席に座り、注文する。朝から動くわけだから、軽めの朝食にしとこうかな。


「すいませ~ん、サンドイッチ2つとミルクと水とお茶をくださ~い」


「は~い」


ウエイトレスの女の子は朝から元気だな、夜に出勤してきている女の子とは違う子だ、朝の時間と夜の時間とで出勤してきている女の子が違うのかもしれないな。ギルドの酒場は基本的に朝早くから夜遅い時間までやっているからシフト制であろう。


サンドイッチが届くまでファンナと相談する。


「さてと、ファンナ、何から始めようか」


「う~ん、そうですね~、リンゴ1箱の納品がランクアップの依頼な訳ですから、まずはリンゴの入手方法から考えてみましょうか」


「そうだね、手っ取り早く果物屋さんで買ってくるってのはどう?」


「う~ん、お幾ら位するんでしょうか、値段にも依りますよね」


「そうだよね、簡単に事が運ぶようなら昇格試験の課題にはしないだろうし」


きっとリンゴ1箱相当な値段で取引されているんだろうな。駆け出し冒険者には買えないぐらいに。


「注文の品、お待たせしました」


「あ、どうも」


サンドイッチと飲み物が届いた。


「「 いただきます 」」


ピピの為に食べやすい大きさにちぎってピピに渡す。


「・・・おいしそう」


ピピはサンドイッチに齧り付く。お腹へってたんだろうな。俺も食べよう。うん、うまい。ベーコンとチーズ、卵焼きとレタスの様な葉野菜が挟まれていてボリューミーだ。胡椒がきいていてうまい。水を飲みながらサンドイッチを食べる。


「ジローさん、とりあえず果物屋さんに行って現物を確認しに行きませんか、そこで値段とか聞いてみて、もし買えるようならお店で済ませてしまいましょうか」


「そうだね、そうしよう」


そこで、お茶を啜っていたボルボ教官が話し掛けてきた。


「あまい、甘いぞ2人共、冒険者とはいつも一手二手先を考えて行動するものじゃ。もう少し先の事を想定せよ、折角二人の冒険者が話し合っておるのじゃ、もっと知恵を出せ」


「はい、教官殿、・・・う~む、一手二手先か・・・じゃあこうしよう、もしお店がダメなら直接農家に行って交渉するってのはどうかな」


「農家と交渉ですか、う~ん、難しいと思いますよ」


「どうして?」


「サラミスの街の農場って基本領主様の土地なんですよ。そこで実った果実はやっぱり領主様の所か商業ギルドに持っていかれると思いますので、一個人にはなかなか譲ってはくれないと思いますよ」


「う~ん、そうか~、例えば収穫を手伝ったりしてみて、その報酬に1箱って考えは甘かったかな」


「あ、いえ、ジローさん。それでいきましょう」


「どうしたの、ファンナ」


「私、冒険者になる前にリンゴの収穫を手伝った事があったんですが、その時のお礼にリンゴを沢山貰ったんですよ、今は収穫期ですからお手伝いしにいきましょう」


「おや、そうなのですか、それならまず始めにお店に寄って色々聞きに行きましょうか、その後で農家の人達にお願いして収穫をお手伝いしてみますか」


「そうしましょう、一手二手先が見えてきましたね、ジローさん」


「ふぉっふぉっふぉ、焦るでない、まずは食後の一服じゃ」


ボルボ教官は懐から煙草のパイプを取り出して火をつける。煙草を吸って煙をくゆらせる。


・・・俺も吸いたくなってきた。マゼランの都で買った煙草を取り出す、紙煙草だ。煙草に火をつけて煙を燻らす。・・・う~む、いい煙草の葉だな、香りがいい。ちょっと高かったけどね。


「お二人とも煙草を吸われるんですね、私はミルクを飲みます」


ファンナの方にあまり煙が行かない様に煙草を吸う。・・・う~む、うまい。


このまったりした時間がいいんだよなあ。


・・・・・・よし、煙草も吸ったし、そろそろ出かけますか。


「ファンナ、ボルボ教官、そろそろ行きましょうか」


「はい」


「さあて、どうなるかのう」


俺達は冒険者ギルドを出て、果物屋さんがある商店街の方へ歩き出した。まずはリンゴ1箱がどれぐらい大きいのかと、幾ら位で売られているのかを調べに行く。そして、果物屋さんを探す、・・・あった。もうお店は開店している様だ。


・・・もしかしてボルボ教官は早く行き過ぎてもお店はやっていないという事に気づいて煙草を吸って時間を掛けたのかな、たぶんそうだろう。


ボルボ教官殿は時間の使い方も上手なんだな。流石だ。


お店の人に話しを聞く。


「すいません、冒険者のジローと申しますが、店主さんにお話があるのですが」


「はい、店主は私ですが、どのようなご用件でしょうか」


「実は、リンゴを1箱売っていただきたいのですが」


「1箱ですか、申し訳ありません、一個人にお譲り出来るのはお一人5個までなんです」


「え、そうなのですか。1箱はダメでしょうか」


「はい、お一人5個までです、箱で買われるのは貴族の御用聞きか商業ギルドを通してしかお譲りできないのです、申し訳ありません」


「そうですか、無理を言いました、ちなみに1箱幾ら位するものなのですか」


「リンゴですか、1箱2万Gです」


大銀貨2枚か、とてもじゃないが買えない。


「やはりワインなどの材料になるからお高いのでしょうかね」


「そうですねえ、用途は色々ですからねえ」


「どうも、ありがとうございました、これで失礼致します」


「お力になれず、すいません」


さて、残るは農家に行って直接交渉するわけか、どうなるのかな。


まあいい、行くだけ行ってみるか。




おじさん朝は苦手だよ










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