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第124話 セレニア公国到着





 「それでは、ブライガー様、我々はこれで失礼致します、色々とお世話になりました」


「うむ、道中気を付けてな、セレニアまでの街道の途中にモンスターがいないとは限らんからな」


「ジロー殿、スカーレット殿、ピピ殿、また何か有りましたらヒャッハーの街にお越し下さい、お待ちしております」


「はい、フランクさんもお元気で」


俺達はブライガー伯爵領の街、ヒャッハーの街を後にしてセレニア公国へ向けて出発した。ここからセレニアまで徒歩で2日ぐらいと言ったところだろうか、まずは街道を西へ歩く。


セレニア公国はパラス・アテネ王国のすぐお隣りの国なので、このまま西へ向けて歩いて行けば途中で街道が分伎する所に出る、その分伎をさらに西へと向かえばセレニア公国へ入る事になる。分伎を北へと向かえばパラス・アテネ王国へ行けるのだが、俺達の旅の目的はセレニア公国に連れて行かれたであろう、シスターマリーを捜してサラミスの街まで連れて帰る事である。なので西へ向けて歩き続ける。


事前に得た情報によると、パラス・アテネ王国に魔物の大群が押し寄せてきて、まさに魔物の大進行スタンピードなんだそうだ。そのお隣の国であるセレニア公国も無事ではない可能性があるのだが、もしかしたらパラス・アテネのピンチにセレニアが何か事を動かしているかもしれない。そんな情勢の国にシスターマリーが連れて行かれたなんて、一体どういう事なのだろうか。わからん。


「スカーレットさん、セレニアに着いたら早速情報収集をお願いしたいのですが」


「ええ、わかっているわよ、その為に私を雇ったのでしょう、ま、私に任せておきなさいな」


「その口ぶりからすると、何かツテでもあるのですか」


「ん、まあね、盗賊ギルドのお頭なんてやっているとね、色々顔が広くなるものよ」


「流石です、頼らせていただきます、スカーレットさん」


「セレニアに着いてからだけど、・・・その前に・・・」


「・・・ええ、モンスターですね」


街道沿いに歩いていただけなのだが、もうモンスターと遭遇してしまった、ゴブリンだ。数は5匹、さて、どうしたものか。


「ゴブリンね、5匹って事は群れからのはぐれかしら」


「さあ? よくわかりませんが、こちらに気付いて向かって来ますよ、やるしかないみたいですね」


「それじゃあ、各個撃破でいきましょう」


「はい、そうですね」


「・・・ジローがんば、スカーレットもがんば」


「ピピは隠れててね、それじゃあ一丁いきますか!」


俺とスカーレットさんでゴブリンを迎え撃つ、スカーレットさんはダガーを両手に持って二刀流の構えだ。


「ギギギギャー!」


ゴブリンが動いた、5匹の内3匹がスカーレットさんの方へ向かった。


「フンッ!」


スカーレットさんはダガーを巧みに使ってゴブリン一体を切り刻む。


「・・・ワン、ダウン・・・」


すぐに次のゴブリンに襲い掛かる。速い。動きがまるで水流の様な、流れる様なダガーさばきでスカーレットさんは次々とゴブリンを攻撃していく。


「・・・ツー、ダウン・・・、スリー、ダウン・・・」


あっという間に3匹のゴブリンを倒してしまった、さすが元盗賊ギルドのお頭。


「ギギャー!」


おっと、こっちにも2匹来た、俺はゴブリンの一匹をミドルアックスで倒す。


「よっと」


もう一匹のゴブリンの攻撃を余裕をもって回避する。


「それ!」


ミドルアックスを横薙ぎに振ってゴブリンを両断する。


「ギッ・・・」


ふう~、モンスターを倒したぞ、それにしても流石スカーレットさんだ、3匹のゴブリンに囲まれていたのに、もう倒し終えてる。


「流石にやりますね、スカーレットさん」


「うふふ、ありがと、ジローさんもやるじゃない」


「どうも、」


「・・・おわった?」


「ああ、ピピ、もう終わったよ」


「・・・すごい、ふたりとももうたおしたの」


「ま、ざっとこんなものよ、ピピちゃん」


やれやれ、こんな街道の途中でまさかのモンスターとの遭遇戦になるとは、この先が心配だな。


・・・・・・そして2日後、モンスターとの戦闘はあったものの、余裕を持って対処でき、ついにセレニア公国へとたどり着いた。シスターマリーが連れ去られて11日、ようやくここまで来た。


セレニア公国の公都にたどり着いた俺達は、まずその大きさに驚かされた、大きい、マゼランの都も大きかったけど、この公都はさらにデカイ。城壁も高さ20メートルぐらいあって、モンスターの襲撃にも耐えられるように頑丈に作られているようだ。


城門まで行った所で、門衛の人に早速話しかけられた。


「ようこそセレニア公国の公都へ、身分証はあるかい」


「はい、ギルドカードです」


俺は冒険者ギルドのギルドカードを見せた。


「ふむ、冒険者かい、Eランクだね、そっちのお嬢さんは?」


「私は付き添いですので」


「それじゃあ入市税を徴収しますけど、銅貨3枚だよ」


「あ、彼女の分は俺が立て替えます」


俺は門衛に銅貨3枚を渡した。


「うむ、よろしい、通ってもいいよ、ようこそセレニアへ」


「どうも、ご苦労様です」


俺達はセレニア公国へ入った。もの凄い人の多さだ。様々な種族がいる、エルフにドワーフ、獣人にホビット族、流石セレニア公国の公都だ、都会って感じがする、公都の入り口近くには露店などが沢山出ていて、そこかしこからイイ匂いが漂ってくる。そういえばもうお昼時か、・・・あ、そうだ、ファンナに連絡しなきゃ。俺は伝意の石を取り出して語りかける。


「もしもし、ファンナ、聞こえるかい、応答してくれ」


『・・・・・・あ、はい、聞こえますよジローさん』


「俺達は今、ようやっとセレニア公国にたどり着いたところだよ、そっちの様子はどうだい」


『あ、セレニアに着いたんですね、こっちはもう間もなくパラス・アテネの港町に到着できる予定です』


「え? そうなのかい、船の旅だからもう少しかかると思っていたけど」


『ええ、何でも強い風が吹いていて、思いのほか早く到着できるみたいです』


「そうなんだ、こっちはこれからシスターマリーの捜索を始めるところだよ」


『そうですか、わかりました、また何かありましたら連絡をしましょう』


「わかった、それじゃあ」


伝意の石から声が聞こえなくなった、本当に便利だな、このマジックアイテムは。


「それじゃあスカーレットさん、情報を集めましょうか」


「それなら、まずは酒場よね、早速向かいましょう」


「はい、ついでに飯も食いましょう」


俺達はまず酒場へと足を向けた、昼飯を食べながらシスターマリーの情報を集めないとな。シスターマリーが無事に見つかるといいんだけど。




おじさん田舎者っぽい感じになっているよ










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