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第104話 いきなりのボス戦






 俺達は今ジャスティーニの廃坑の入り口にいる、デニム達の捜索の為に他の冒険者達と一緒に荷車係として。ところが事態は急変する、なんとボスモンスターのジャイアントフロストバットが、負傷したであろうデニム達を追い追いかけてきたのだ。


ルビーさん達のパーティーがデニム達のパーティーを発見したらしく、急いでジャスティーニの廃坑を脱出してきたのだが、その時にジャイアントフロストバットも一緒になって廃坑の入り口から勢い良く出てきた。


どうやらジャイアントフロストバットは俺達を見逃してはくれないらしい。ジャイアントフロストバットは翼まで入れると体長3メートルはあるデカイ蝙蝠こうもりだ、ゲーム「ラングサーガ」にも登場したボスモンスターだ。空を飛んでいるから厄介だな。


とにかく、みんなを退避させないと、冷気のブレスは危険だ。


「ファンナ! デニム達負傷者を荷車に乗せて先に撤退してくれ!」


「ジローさんはどうするんですか!」


「俺はヤツの足止めをする、皆さんも急いで撤退を!」


「大丈夫なのか! ジロー!」


「無茶はダメだよ! ジロー!」


「無茶はしません! ヤバくなったら退きます! だから急いで!」


「わかったぜ! ファンナの護衛は俺達がやる!」


「頼みます! カークス!」


デニム達のパーティーの負傷者二人をファンナの荷車に乗せて、直ぐにその場から離れていく。カークス達のパーティーがその護衛をやってくれている。バニングさん達のパーティーもじりじりと後退しながら様子を伺っている、ルビーさんとサーシャは俺の近くで撤退準備をしている。


「ギギッ」


ジャイアントフロストバットに動きがあった、なんと負傷したデニム達に向けて冷気のブレスを吐いてきた。


「あぶない!」


俺は咄嗟に間に割って入って鉄の盾を構える。冷気のブレスがくる。やらせるか!


「ぐっ、つめたっ」


もの凄く冷たい、盾を構えていてもやはりダメージはあるか、ダメージいくつだ!


ダメージ15!? マジか! 残りHP48、まだ持つか!


「ルビーさん! 魔法は!」


「もう魔力が無いんだよ!」


「サーシャ! 支援攻撃は!」


「もう矢筒に矢が無いのよ!」


「わかった! 俺一人で何とか足止めする!」


「無茶しないで! ジローさん!」


「無茶はしません! 足止めに徹します!」


ジャイアントフロストバットは空中を飛び回っている、ショートアックスでは攻撃が届かない。ならば、俺はハンドアックスに持ち替え狙いを定める、・・・よし! 今だ! ハンドアックスを投擲する。


「ギギッ」


なに!? 避けられた! 図体の割りに動きが素早い、しかし、今の攻撃でヤツの狙いが俺に向いた。真っ直ぐこちらに向かって飛んでくる。チャンスだ、向こうから来てくれた。


俺は体を正面に向けてジャイアントフロストバットに攻撃魔法を使う。


「これでもくらえ! ブレストから《ファイアーー》!」


ジャイアントフロストバットに見事に命中、よし、かなりのダメージを与えたようだぞ。


「魔法!? ジローさんがまた!」


またも、ルビーさんが驚いているようだ。だがここは気にしない。


ジャイアントフロストバットも負けじと冷気のブレスを吐く。俺は盾を構える。


「うおっ、」


冷たい、痛いぐらいだ。ダメージ15! 残りHP33!こっちも反撃だ。ファイアの魔法を使う。


「炎よ! 《ファイア》!」


「ギギィ・・」


よし! 命中した。かなり効いてる様だ。ジャイアントフロストバットの動きも鈍くなってきている。一気に畳み掛ける。


「もういっちょう! 炎よ! 《ファイア》!」


「ギギッ」


しまった、避けられた。残りMP6、あと3回魔法を使える。あまり外したくない。慎重に狙いを定めて、・・・・・・いまだ!


「くらえ! 《ファイア》!」


「ギギィ・・」


よし! 命中。もうだいぶ弱ってきているはずだ。ジャイアントフロストバットの動きが遅い。

これはチャンスだ。ショートアックスを持ってダッシュで急接近する。


「ギギッ」


ジャイアントフロストバットが冷気のブレスを吐こうとしている、俺はダッシュジャンプしてジャンプアタックを試みる。


「うおおおおおおおーーーーー!」


冷気のブレスを喰らいながらジャイアントフロストバットにショートアックスを叩き込む。


「ギギィィ・・・」


ジャイアントフロストバットに攻撃が命中、よし! もうモンスターは後が無い感じだ。


そのままの勢いで地面まで叩きつける。ジャイアントフロストバットはピクリとも動かない。


「はあ、はあ、はあ、」


寒くて凍えそうだ、残りHP18、ぎりぎりだった。もう動かないでくれ、頼む。


{シナリオをクリアしました}

{経験点1000点獲得}

{シークレットシナリオクリア}

{3BP獲得  1SP獲得}


・・・よかった、何とかなった。頭の中で女性の声が聞こえた、どうやらシナリオをクリアしたみたいだ。


「・・・ジロー・・・お前ってやつは・・・賞金首モンスターを一人で倒しちまったのか・・・」


「ジローさん、色々聞きたい事があるけど、今のあたい等はもうへとへとだからねえ、とにかくサラミスまで帰還するよ、ファンナ達はもうサラミスへ向けて移動しているからねえ」


「は、はい、帰りましょうか」


こうして、今回の救助依頼レスキューは無事に達成できた、デニム達のパーティーの負傷者はサラミスの街の診療所で診てもらえば大事には至らないだろう。俺も凍傷ぎりぎりだった。後で俺も診療所で診てもらおうかな。


何はともあれ、何とかなってよかった。デニム達も無事だったし、よし、サラミスへ帰ろう。




おじさんも、もうヘトヘトだよ







「探しましたぞ、公女様」


「ど、どちら様ですか?」


「さあ、セレニア公国にお戻り下さい、マリアンデール公女様」


「わ、私はマリーです、シスターなんです、公女なんて知りません、は、離して、離してください、誰か、誰かぁ・・・・・・」


















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