私がしたいこと
起きたくないけど起きて戦うことに決めた。決戦の場所は、葵の家となった。喫茶店など外の方が良いのだがまた暴れるとお店に迷惑がかかってしまう。あと私の身体があまり言うことを聞かないので遠くに行けないからもあるが葵には黙っておこう。
「ほんとに良いの?」
隣には郁恵さんが居る。前回の反省を活かして着いてきて貰った。
「はい」
今年一の踏ん張りどきだ。
四人がけのテーブルに前回と同じ場所についた。葵は母の隣に座っている。
え? 開幕から喋るなオーラしか出てない。どうしようか。まぁやるとしたらこの言葉から。
「樹月さん、こんにちは」
「こんにちは」
「こちらの方は私の母みたいな人です」
「そう」
「「……」」
続かね〜。話の切り出しってこんなに難しかったのか。何とかして場を繋がないと。
「いい天気ですね」
「どうでもいい」
確かにどうでもいいことだったけど! ツンケンしやがって。
「何の用?」
「父の件で来ました」
「ほぉ、で?」
「まず最初に父は亡くなりました。約三年前ですが」
「当然の結果ね」
「お母さん!」
まぁそうだけど。否定できない材料ないし、てか否定しなくて良くない? それだけの事をやってたみたいだし。
「私もそう思います」
「侑ちゃん!?」
聞き役に回っていた郁恵さんが大変驚いてる。大成功。
「父に代わって申し訳ありませんでした」
「いい気味ね」
「……侑」
郁恵さんも頭を下げてくれてる。ありがとうお母さん。こっからは私がしたいこと。
「樹月さん。だからって葵をほったらかしにしていい訳ではないです」
「……」
こいつ自分被害者ですみたいな面してるけど、葵のことに関しては加害者なのにずっと葵に対して何も言わない、何もしない。
「あんたが嫌ってた父の方がまだマシだね。あっちはまだ親であろうとしていた」
「黙れ」
臆せば負ける。攻めるしかない。
「葵とちゃんと向き合ったことあるんですか?」
「……」
「なんで何も言い返さない」
「言い返す必要がないから」
どういう意味だ。表面上受け取れば全てが事実だから。全部戯言でも思っているのか。
「だったらなんだって言うんだ!」
「侑ちゃん」
思わず立ち上がってしまったが、郁恵さんに止められる。
「確かに貴方は酷い目にあったかもしれないだとしても侑ちゃんの母親でもあります。そのことを忘れないでください」
「そうですね。でも私たちはもうとっくに親子仲が冷めてますから、歩み寄るには遅すぎたんですよ」
勝手に決めつけて。
「葵がどうしたいのかによるじゃないですか!」
「……そう、葵貴方はどうしたい」
「私はお母さんが好き。まだ一緒に居たい」
「そう、私は嫌いよ」
嘘つけ。嫌いな人にそんな愛おしいそうな顔しないよ。




