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お料理大作戦

前話の明日も料理作ってのところに「私だって葵のために作りたいと思ってはいるが、用事があるので仕方ない。」というのを増やしました。

「おはようございます」

「侑ちゃんおはよ」

「私のこと侑ちゃんていう人、郁恵(いくえ)さんだけですよ」

「ふふ、そうかしら」

 この人は新崎郁恵(あらさき いくえ)私の母の中学時代からの友人らしい。そして私が働いているこのお店新崎商店の店長でもある。

「侑ちゃ〜ん、昨日の子はお友達?」

「見てたんですか」

「当たり前でしょ、うちの侑ちゃんがあんな可愛い子を連れて買い物してたんだから」

 さらっとうちの子って...。

「覗き見は嫌われますよ」

「はいはい、そんなことよりも誰さん?」

「友達です」

「名前教えてよ」

「嫌です」

「侑ちゃんがあんなに仲良くしてる子を知りたいのに〜!」

「あんなにって///普通くらいですよ」

 葵とは、親友なのだから普通以上かもしれないが、面と向かって郁恵さんに言うのが気恥しかった。

「またまた」

「めんどくさいですよ」

「酷い!反抗期なの?」

「反抗期でもないですよ」


(最近侑に作ってもらってばっかりだからここは料理をしてガツンと驚かしたい)

 と昨日決心してから一体何を作ればいいのか全く分からない。

「ぐぬぬぬ、まいっか買い物しながら決ーめよ」

「いらっしゃいませ」

 はいはい、いらっしゃいませっと、店員さんの挨拶を聞き流して歩こうとしていたら。

「え?、え!?」

 まさか人生で2度見をすることがあろうとは。

「侑!?」

「ん?葵か」

「何、その反応」

「生憎こちらはバイト中なもんで」

「侑がバイトね」

「別にいいじゃん。ここはね知り合いの人が経営してるお店なんだ」

「へぇ〜」

「あらあら、侑ちゃんたら〜」

「げぇ」

「げぇとは何よ」

 心の声が出てしまった。聞かれてははぐらかしてきてたのに。

「侑、こちらの方は?」

「店長」

「新崎郁恵です。この店の店長をしています」

「私は侑のクラスメイトの高野葵です」

「よく侑ちゃんから聞いてます」

 そこまでは言ってないと思いたい。思い当たる節が多すぎる!。

「そうなんですか!」

 うわ!今ニヤて顔しやがった。こいつー!と思っていると郁恵さんもニヤニヤしてた。似たもの同士だなと感じた。

「では、私は戻るわね」

「はい」

 最後まで楽しんで、帰って行った。ほんの一瞬だったのに、気力がゴソッと持ってかれた。しかし買い物は、バイト終わり済まそうと思っていたが、葵がここに来た理由が浮んだか、何故かそれを言葉にしたくなかった。

「……夜の買い出し?」

「……昼ご飯の買い出し」

 私が葵のためと思いご飯を作ったり、部屋を掃除したりとしていたのに……。

「私は、もう要らないの?」

「いるよ!」

「でも昼作るんでしょ!」

「侑を驚かせたかっただけ!」

「そう?」

「そう」

「じゃ一旦この話おしまい、お昼何作ったらいい?」

「……炒飯でいいんじゃないか?」

「炒飯ね、でもなんで?」

「炒飯は失敗しにくいから」

「分かった、じゃまた後で」

「また後で」


 良し、材料も買ったし炒飯作りを開始しよう。レシピとかなくてもいけるかな?まー大丈夫でしょ、と考えながら野菜を切り始める。

「炒めてっと」

 いい匂いがしてくる

「完〜成」

 では、試食と行きますか。ん〜?と唸りながら首を傾げ出てきた答えを口にしてみる。

「微妙な味」

 何故だろう、何かが足りてなかったのかな?

 塩とか振っとけばなんとかなるだろう。しかし改めて思い知った侑は、料理馴れしているんだとハッキリと分かった。正直に凄いなと思っていた。

 ピンポーンと鳴った。

「はーい」

「よっす」

「入っていいよ〜」

「お邪魔します」

「今日何にするの?」

 葵は食いしん坊さんなんだから、それでも早すぎるけど。

「さっき昼食べたでしょ?早すぎるって」

「良いじゃん」

「うどんとかでいいかな」

「茹でるだけでしょ」

「どうせそう言うと思ってたから、手打ちする」

「え?手打ち!?」

「うん」

「あんたそんなのもできんの?バケモンじゃん」

「ひでい、言い草」

「いやそれほど凄いんだよ」

「あとあんまりしないから失敗しても文句言わないでよ」

「言わないよ、絶対」


「うどん美味しいよ、それに綺麗に切ってるねこれ!」

「まぁ〜そこも含めて腕の見せどころですから。でも欠点としては時間がかかるから休日にしか出来ないけどね」

 葵に褒められるともっと言って欲しくなる。

「それでも美味しいし、良くね」

「そうかも」

「おかわり頂戴」

「はいよ〜」


 少しだけ残しておこうと思っていたが、葵は全て平らげてしまった。でも嬉しくてそんな些細なことは気にもならなかった。

「お腹いっぱいだわ」

「それは良かった」

「明日は掃除しに来るから」

「はいよ」

「泊まっていっても良いけどね」

「え?」

 私の中に友達の家に泊まるという選択肢はなかったもので驚いてしまった。

「泊まっても別にいいよ」

「家で家族が待ってるから」

「そう?私はいつでもウェルカムたがら」

「気持ちだけ頂くよ」

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