未来のことを君と
葵と一緒に夏にとっておきのリゾート地特集番組を見ていた。
「海行きたーい」
「そだねー」
と言った感じでだらけていた。夏休みがすぐそこまで来ているので、学校でもその空気が蔓延しており例外に漏れずあてられていた。
「侑って普段夏休み何してんの?」
「……何してるんだろう」
「自信もって」
自信を持ってと言われても何をしているのかと言われても土日と変わらない。
「普段と……変わらないね」
「じゃ特別なことしようよ」
葵は一体何を言っているんだ? そもそも特別なことってなに?。楽しそうな声でシンキングタ〜イムと口でパフパフと名前の分からないあの楽器の真似している。
「夏といえば?」
ちょうど目に入ったCMを読み上げる。
「『ポケ○ン』」
「今やってたけど」
違ったらしい。あと何かあっただろうか。仕方ないなぁと言わんばかりに葵はため息をついてみせた。
「青い海に緑の山々とかあるでしょ」
言われてみたらそうだと納得出来る。昔家族で行ったりしてた……。私が記憶の奥に無理やりしまい込んでいたのを久方ぶりに今掘り起こした。
「そうだった」
「だからさ……その〜いっぱいお出かけしない?」
不安を感じているのか提案の声が小さい。
「お出かけね」
葵は何も間違ったことを言っていないのに。お出かけという言葉に少し寂しさを覚える。
「どこ行こうか?」
葵が露骨に嬉しそうにしているのがわかる。先程の言葉を否定に受け取ったのだろうか。私の中に葵の提案を断る答えはなかったのだから、葵を不安にさせるような物言いは次から気をつけることにしよう。
「海行きたい」
「それなら私は花火かな」
「花火も行きたい!」
葵が楽しそうでなによりである。
「あと……お泊まりも」
「忘れてないよ」
事実おばあちゃんには、既に了承を得ているので後は日程を決めるだけなのは黙っておこう。
「えーと、後は」
「焦らなくていいよ。時間はまだあるしゆっくり決めてこ」
「でも」
「私は短時間だったけど葵とこうやって決める時間も楽しいよ」
「そっかぁ」
葵が、顔を少し赤らめているので私も言った後でいたたまれなくなってきた。
「夏休みが楽しみだね」
「そうだね」
夏休みが待ち遠しくなった。




