クレープは甘いもの!
前から葵は距離が近かったが、キスの件で一層距離が近くなった。学校でもそうだし家でもだ。現に今も私の腕に腕を絡ませている。
「私の腕そんなに良い?」
「嫌?」
「……嫌じゃないけど」
「それならいいじゃん」
それならまぁいっか。私は深く考えることを投げ棄てた。クレープアイスが、発売されるCMを見ていた時に思い出した。
「そうそう、明日暇?」
「暇だよ〜」
「この前葵が、行きたいって言ってたクレープ食べに行こうよ」
「やった〜」
絡まっている腕に力が入り、体全体が近くなる。
「その///」
今更近すぎると言うのもアレな気がして口を噤む。
「何?」
「なんでもないです///」
昨日の約束通りに、クレープを食べに来た。私たちと同様若者が、集まっている。混雑する前に来れて良かった。
葵が、手を握って来る。そちらを見ると駄目かなと上目遣いで訴えてくる。私は、何も言わず手を握った。
「えへへっ。私クレープ食べるの初めてなんだよね」
「ふーん」
「もしかして侑は、あるの?」
「いや、ないよ」
「一緒じゃん!」
私はいちごがのったクレープで、葵はバナナ版だ。食べてみると驚きがあった。
いちごの甘さとクリームの甘さが、合わさり甘さが二倍になると思ったが、いちごは甘さ控えめでクレームの良さを引き立てていた。
美味しさのあまり芸能人のように食レポ紛いのことをしてしまう。
「侑、一口ちょうだーい」
のかけ声と一緒に食べられた。
「まだ何も言ってない」
それを無視するように感想を述べる。
「うーん、美味しい」
「ちょっと」
はいはいわかってますよと言わんばかりにバナナクレープをこちらに向けてきた。
「何これ?」
「はいあーん」
「え!?」
思わず周りを見ると、こちらを微笑ましそうに店員さんが見ているのが分かり、逃げ出したくなる。
「いや、それは」
「もしかして口移しがいいの?」
葵の言葉により私の動揺は加速する。私の様子を見て葵は、ケラケラと笑っている。
「機嫌直してよ」
一口貰ったが、味はよく分からなかった。
「どう?」
「甘い///」




