作戦は入念に練ろう
不意打ち事件から三日過ぎた。その間、私たちにある気まずさといった空気をどうすることも出来ていなかった。
どうしたものかと現在進行形で頭を抱えている。昔の私ならたかだか友達とキスをしてしまったことをあれは事故だ、気にすることはないと割り切る事が出来たかもしれないが、今の私は割り切ることが出来ていない。あれを水に流すことを私は何故か嫌だった。
だからとて、どうすることをできていないのが現状でもある。誰かに相談しようと自身の交友関係を振り返っても相談できる人物が居ない。皆私との距離が近すぎる。ぼかしながらでも恥ずかしくてどうにかなってしまう。
しかし、ここで一つの光をみた。これなら解決出来ると意気込んでいた。
私は今作戦を持ち葵の家に押しかけた。そう私は葵本人に相談した。相談した事は良かったけど、私は今何をしているのだろうと我に返っていた。何が一つの光だ、暗闇しかない。時を戻したいと真剣に思っていた。
「……」
「……」
どうしよう気まずい。何か喋ってよと内心葵にお願いしているが、願いは届かない。腹をくくって話を切り出した。
「葵、あのさ……クラスで聞いた話なんだけど」
「……」
話し出したのはいいものの、葵が何も言ってくれないのできつい。
「友達同士のキスってわりかし、あるみたいなんだよ」
「……」
「だから……その~」
その続きの言葉が出てこない。
「……それじゃ侑は、私とのキスはどうでもいいんだ」
「!?」
葵が、言い出したことに面を食らって何も返すことが出来なかった。
「そうなんだ」
「葵」
「帰って」
葵が、私の背中を押してリビングから追い出そうとしてくる。
「ちょっと!」
私は抵抗して何とか留まることに成功する。
「いいから出てってよ!私の事どうでもいいんでしょ。クラスの人が、やってるからなに?私はそんなことどうでもいいよ!……私は……私は」
返す言葉が、今の私にはあるのだろうか。ふさわしい言葉と考えても堂々巡りにしかならない。私はどうしたいのかと考えていると葵が走り出し部屋から飛び出して行った。
「葵!」
と呼び後を追おうとドアを開けるも、既に葵の背はどこにもなかった。葵を探すべく私も外に駆け出した。




