テストで、勝負だ!
「葵、帰ろ」
「うん」
と2人で帰ろうとしていたら、天宮先生が声をかけてきた。
「高野さん、少しいいですか?」
「え〜」
「行ってきな」
わかったと返事をして先生の所に行った。暫く時間を潰すことになりそうだ。
葵と合流して帰路に着いた。
「何の話してたの?」
「テストちゃんとしないと留年するよって話」
「この時期に?」
「積み重ねらしい」
「それなら、ちゃんとやりな」
「やるやる。ちゃんとやるよ」
「ほんと?」
「ほんと」
怪しい、これはやるやる詐欺の可能性の方が高いと思う。私は思い立ったことを葵に言った。
「葵、勝負だ!」
「勝負?」
「テストの合計点が高かった方の勝ちで」
「罰ゲームは?」
罰ゲームか、考えてなかったなぁ……。適当に言った。
「晩御飯を作るとか?」
「じゃ、勝った方のお願いを一つ聞くで」
定番だけど、お願いかと考えていると、葵が挑発的な笑みを浮かべ言ってきた。
「負けるのが怖いの?」
「葵、言うようになったね。負けないから」
「じゃ、決定ね」
負けないようにしないと。テスト終わりまで、忙しくなりそうだ。
テスト当日になり、葵と少し話した。
「やっほ〜」
「おはよ」
「葵のご飯が恋しいよ」
「全部終わったらまた作りに行くから」
テスト期間も勉強するために、あまり葵の家にも行くことがなかった。
「楽しみにしてる」
「葵、罰ゲーム楽しみにしといて」
「もう勝った気でいるの?」
「もちろん」
「いざ、勝負!」
そうして迎えた答案返却日は、葵の家に来ていた。
「さて、侑覚悟は出来た」
「その言葉そのまま返すよ」
「「オープン」」
葵に、三十点負けた。
「届かなかった」
「私の勝ちだ!」
と両手を上げて喜んでいた。堪らなく悔しかった。
「今回は負けたけど、次は負けないから」
「次も勝つけどね」
「今から勉強しようかな」
「ダメでーす。侑は、今から私のご飯を作るんだから」
「それがお願い?」
「そんな訳ない」
「じゃ、何?」
一呼吸ついてから私に言ってきた。
「……夏休みに侑の家に泊まりに行きたい」
「……」
予想外のお願いに、私は戸惑ってしまう。
「駄目かな?」
「いや、大丈夫だよ……」
「ありがとう」
話題をかえるために、突然葵が言い出した。
「侑は、私へのお願いって何だったの?」
「絶対にいじらない?」
「そんな事しないよ」
「……一緒にどっか行こうかと思ってた///」
「可愛いかよ」
「そういうのやめてよ。恥ずかしい」
「え〜」
「今日は葵が嫌いな食材使ってやる」
私が不貞腐れいると葵は、私の肩に手を置き、ごめんよと言いながらずっと揺らしてくる。




