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おとなりの申し込み

作者: 爆微風
掲載日:2026/05/09

 同棲生活の三年目、自分の誕生日を迎え、覚悟を決めた。


 オレたちはご近所付き合いから始まって、幼馴染み、同級生、恋人、と関係を進めてきた。

 そんな付き合いも二十年になる。


 だからこそ、結婚の申し込みくらいはハッキリ自分から、と思ったんだよ。


 でも難しいな、愛情をストレートに伝えるのって。


 そりゃ言える言葉はある。

 想いはいくらでも言葉になる。

 愛してるから結婚したいんだ、と酔った勢いで何度も伝えてきたし、だが届いているような手応えはまるでなかった。


 あぁ、オレからちゃんと『愛』を伝えるにはどうすればいい?

 なので、まぁ古風だけど。


「オレたち、家族にならないか?」


 ……と、そう言ったんだ。

 少し照れ臭くてうつむき、顔を見れなかったが、毎年オレの誕生日に手作りケーキを作ってくれた感謝と共に言葉にした、つもり。


 だが、答えは。


「いやだ……」


 イヤ、なのか。

 オレとは、イヤなのかって聞きそうだった。


「もう、人生ぜんぶ差し出した、つもりで……あとは事務的な、赤ちゃん生む前に籍を入れるだけだって思っ……だって今まで、気持ち、なんて……!」


「……ダメ、じゃ、ないんだな?」


「ダイジョブ、プロポーズ、言ってくれると思ってなかった、だけだから!」


 いやだ、ってのは、思い掛けない一言だったからか。

 続いた言葉に溜め息が出そうだったのを押し殺し、オレは「待たせてゴメン」と指輪を差し出した。


 震える左手を支え、ロウソクが照らす指にそっと指輪をはめる。

 濡れ光る目元を細めた彼女とキスをした。


 これからもずっと、お互いのとなりで生きていこうな。





あるOpenChatの企画掌編です☆

次にも期待していただけるならブックマークを☆

反応があると作者がハリキリます☆(^▽^)d

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