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手掛かりと殺意

「お母さん、今日ねぇ?お友達ができたんだぁ、初めての友達。嬉しかったなぁ」

 そう、初めての友達。前世なんて最強だと言われ続けていたから論外だ。そしてクラスメイトはどちらかというと「近所の子供」程度にしか感じていなかった。だけど冬那ちゃんは…大人びていたし、なによりも俺への執着が心地良かった。正直、これが友情なのか分からないけど、多分友達なのであろう。

「スマホ持ってるのかなぁ…持ってたらライム交換したいなぁ…聞くの忘れてたや」

返事は無い。

「お母さん寝てるじゃん…お父さんは聞いてるー?」

返事は無い。

「飛逹、やめなさい」

「なんで?親に話しかけて…」

後ろを振り向く。

「何が悪いの?」

奏多さんが顔を顰めた。

「はは…あ、そういえばお母さんたちスマホ持ってないの?」

「え?持ってるけど」

「貸してよ」

なにが手掛かりがあるかもしれない。

「指紋認証…はダメか」

流石にそうか。有名人な訳だ。勝手に解除されから困るからな。

「だとしたら…この6桁の数字を突破するしかない…と」

810703…ダメ。811222…ダメ。080424…いけた!!!…案外安直だな。流石お母さん。天然っぷりが発揮されてる。

「早くWi-Fi繋がれよ…」

…繋がった!!その途端、とてつもないほどの数の通知の音が鳴り響いた。

「!?」

そしてそれら全てがメール。友人からか、と思ったが、さっきから全て同じ名前。

「KS????」

そう、その名前。恐る恐るメールを開ける。

「!!!!」

やっと死んでくれた、あれ死んでないの、なんで死なないの、早く死んでくれよ、なぁ早く、お前たちがいなきゃ今頃俺が。

「は?」

このようなメールが何通も何通も届いていた。

「何これ…」

お父さんの方のスマホを解除していた奏多が声を上げた。

「メールのこと言ってる?」

「もしかして…!」

同じか。

「こっちもそう」

「KS」

奏多がつぶやいた。

「一緒」

「KS…か…。何の略称だ?」

奏多が頭を抱えた。

「名前…いやそれとも渾名…?それとも何かの印の省略??何だ?」

何も掴み取れない。でもここで掴み取れたのは一つ。

「こいつ、訴えよう。そしたらメール差出人も特定される筈」

「…!」

奏多が目を大きく開いた。

「…分かった。任せて。社長に言ってくる。あと、二人のマネにも」

そう言って奏多は病室を出た。

「待ってろよ…必ず…必ず」

殺してやる。

 世界最強が本気を出せば人などすぐに殺せることを証明してやるよ。いつでも人の味方ではないことも。

 あれから1ヶ月。着々と準備は進んでいる…らしい。らしい、というのは奏多が絶対にその準備に関わらせてくれないからだ。最初の方は抵抗した。が、奏多の目から戦場で見た、味方が残酷殺されているのを見た戦士のあの目とそっくりの雰囲気を感じられたため、私は奏多を信じた。

「飛逹君、元気ない?」

「ん?いぃや?大丈夫だよ!」

「そ…それで…今回のドラマは順調?」

「うん!でもさぁ?キャストで見たと思うんだけどさぁ、子役が俺一人なんだけど…」

「飛逹君は子役じゃないから」

「え、貶してる??」

年寄りだってことか????

「違うって!大人びてるって意味!」

「分かってるよ」

あれから私と冬那はとても仲良くなった。撮影がない日は一緒に登下校している程だ。家が意外に近かったのだ。

「そういえばね、昨日分析してたらね?」

そして冬那は歌手の分析をするようになった。手始めに昭和の歌手、そして昭和のアイドル、今のアイドル、地下アイドル、歌手、全て。

「私と声が似ている人、見つけたんだ!」

「へぇ?よかったじゃん。参考にしやすいな!」

「そうでしょ!」

冬那は笑った。

「まだだけどね、待っててね!!」

「待つよ」

だけど…それまでに私…いや、「俺」が道を踏み外したらごめんね。俺は一番嘘が多いであろう人間だから。

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