表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
69/79

異世界争乱編 第四十七話

 王国から距離を取っていたトゥルゥルが急に足を止める。

 前方には一緒に潜入して置き去りにした三体のオーガが待っていた。

「遅かったな。人間に追いつかれる前に行くぞ」

 三体が歩き出すのを見送る。

「何故立ち止まっている」

「貴方達とはここで袂を分かちます。トゥルゥルを無事に助けられた事は礼を言いますと、エンペラーに伝えてください」

「俺達が「はいそうですか」と行かせると思うか」

 オーガ達は武器を構えると、凶器を見たトゥルゥルが一歩踏み出す。

「貴方達三体で私を倒せると思いますか」

「隊長」

「くそ。この事はエンペラーに報告するからな。忘れるな。貴様は人類だけでなく我ら地球人を敵に回したことを」

「捨て台詞だけは立派でしたね……モモ?」

 トゥルゥルを助けた事で肩の荷が下りたのか、私は掌の上で腰を落とした。

「これからどうしようか」

「とりあえず落ち着けるところを探しましょう。私から提案があります」


「西に?」

 王国に比較的近い森の中で小休憩を取っていると、トゥルゥルがそんな提案してきた。

「発電所にいる間メモリは自己修復を続けていました。その結果、目的は不明のままですが私は西から来たことを思い出したのです」

「西の黒黒砂漠から来たってこと? でもそこに何が」

「まだ分かりません。しかし西から私は打ち上げられ、モモ達の住んでいた森に不時着したのです」

「じゃあ西に行けば、トゥルゥルの仲間が?」

「協力者がいる可能性は北や南より、遥かに高いと思われます」

「じゃあ、早速行きましょう」

「そんな簡単に了承してくれるのですか。黒黒砂漠は生物にはとても過酷だと聞いています」

「ええ。そこに行って帰ってきた人はいない。けど私にはトゥルゥルがいる。頼りになる相棒が」

 手を伸ばす。

「相棒。私がモモの相棒ですか」

「いや?」

「いえ。光栄です。改めてよろしくお願いします」

 私は伸ばされたトゥルゥルの指としっかりとした握手をした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ