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自然の風景

生きることができる。案山子が山のようにうなる。


さらりとなびく風の音が私を誘う。 遠くに聞こえるラジオの音がザァーザァーと私を責め立てる。

美しく、ひらひらと散る桜の花びらは何色だろうか。

桜はどこに行く。桜はなぜピンクか。水色であってほしいと願い、自分の中で形にする。でもそれは瞬間瞬間の風の呼吸によって遮断される。笑うしか他ない。


枝の先に延びていく生命の息吹が私の中を流れる血液みたいで親近感を覚える。私も自然の一種なのだと実感する。

草が私を呼び込み、私が呼吸で応答する。 そこに感じられる意識みたいなものは隔たりを生み、意識を阻害しようとすればするほど意識が顕在化される。つながることを拒絶される。

でもほほえみかけている草が私の奥底に寄り掛かり、優しさで包み込む様子は昔からの友人だと思わせる感覚だ。


木に囲まれた部屋で空気をいっぱい吸い込み、木からのエネルギーをいただく。 木が与える私という存在をこれでもかと感謝してみる。迫る温かさ、太刀打ちできない自然の包容力。

包まれていたいけれど、そのままだと私が私としての意識をなくさなければいけない。それはまた自然に帰ることでありながら、自然を感じず、何かしらの「 」になることである。


ささやく声に耳を傾けたいけれど私にはまだその忍耐力も勇気もあまり出ないようだ。

いつかは感じてみたい、そしてその時は受け入れてほしいと願う。

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― 新着の感想 ―
[良い点]  詩的で心地の良いエッセイですね。  Zabadakの「遠い音楽」を聴いているような気分になりました。
2021/04/04 15:59 退会済み
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