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花束への道標  作者: コウタカシ
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-front number-

姉の結婚を機に本気で自分の人生を考え出す僕、コウタカシの様々な苦悩や葛藤を記す、いわば、いわばというか完全なるただの日記です。

-父母姉、そしてコウタカシからなる我が家族。大学までの人生は俗に言う順風満帆ってやつだった。



僕の住む町では中学受験なんてする人はほんの一握りなのに気付いてたらその一握りなってしまってた。握られてしまってたと言ったほうが正しい。



ただ、握られてしまった鮭おむすびは中学で優秀な生徒と巡り合い、お互いに切磋琢磨しながら、結果的には県一の進学校に進学した。


ちなみに、今のコウタカシの友人は中学で出会った友達が8割を占めてて、残り2割が高校でであった友達、残り0割が大学で出会った友達が占めてる。大学で友達が0人だったってわけではない。確実に1人はいる。下手したらもう1人いる。残念ながらさらに1人は思い当たらない。最低1人、最高2人だとして僕の友人の中で割合を出すと0割になってしまう。さらに難しい算数の問題を出すと僕の友人の10割が男だ。難しくなると思ったら問題に直結しない、全く関係ない情報だった。この段落を要約すると、コウタカシは敷かれたレールに乗って割と良さげな中学時代を送ってたものの、女性とは無縁だった、ということである。


国語の偏差値だけ40台だっただけのことはある理解力でしょう。



高校では思春期を乗り回した学生たちがより大人な恋愛、といっても今思うとまだまだ子供なんだけど、当時は惚れ惚れする恋愛をしだしていた。


修学旅行で外出厳禁の時間帯に2人で抜け出して時計台の上でキスするとか、なんてロマンチックな17歳を過ごしてんだ、と言わんばかりの時計台の鐘が鳴き散らしているのを僕はラーメンを啜りながら聞いていた。


僕も抜け出してんじゃん。


そんな可愛い高校生も3年生になると急に受験モードに入って、周りのことなんて全く視野が入らなくなる。


恋愛でもなんでもご勝手にどうぞ、とみんなペンでカリカリ言わせながら、横目で多目的ルームでカップルが足元でイチャイチャしてたのを見ていた。


コウタカシも横目を疲弊させてた1人で、毎晩妄想しかしてなかった。


三田会志望だった僕は独学で世界史を勉強して、授業を受けてる人よりも点数をなぜか取れる異端児になっていた。そんな異端児でも三田会に入れないから世の中の条理はどうかしてる。


結局コアラのお菓子の2文字目に合格したわけで、Fランとか思ってたけど世間的には十分高学歴だから、どっちの立場で話せばいいか今後も悩み続けるくらいほんと良いのか悪いのかわからない大学に進学した。


渋谷が最寄りの大学、と聞くとウェイじゃんとか思われがちだが、僕の非ウェイは音速で加速していった。非ウェイ!と聞くと、なんかヒぃウェイ!って陽キャが合宿先のコテージで叫んでそうだから、インキャとど直球ストレートを投げ込んでおく。


そういえば鮭って生まれた川に戻って卵産むんだよね。早く地元に帰って暖かい手で握ってくれる人と巡り会えないかなあ。、気づいたら大学終わってた。



そして、今。



仕事辞めたい。以上。



大学まで側から見たら順風満帆そうなルートを辿ってきたコウタカシ号だが、いつ脱線してもおかしくない状態にある。状態にあった。つまりもう脱線してる。



姉の結婚報告を受けた時から。



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